【懐旧譚】第三回 雨宮天 音楽で彩るリサイタル



こちらは2021年9月5日にLINE CUBE SHIBUYA (渋谷公会堂)にて催されました、『LAWSON presents 第三回 雨宮天 音楽で彩るリサイタル』公演全体を通しての感想文です。

 

「私の私による私のためのイベントです!」と言ってのけてしまうくらい、雨宮さんの『好き』が詰まったこの空間。

 

また味わえるのが、本当に、こう、嬉しいね(´×`)

  

公演前日のブログで、雨宮さんが

 

皆さんも私のカラオケを覗きに来るくらいの、一人カラオケをちょっと盛り上げてやるか〜くらいのゆるい気持ちでお越しくださいませ!

明日リサイタル!(最後にネタバレありです) / 雨宮天オフィシャルブログ「天模様」

 

という風に「カラオケ」と形容されていましたね。

 

 

そうね、本当に、あの時あの場所での互いのやり取りは、なんだかカラオケだなぁーって思っていて。

 

カラオケで自分が好きな曲を心許せる人が「好き」って歌ってくれたら、「この曲好きだったんだ!」って、嬉しかったりするじゃないですか。

 

知らない曲を歌いだしても、「こんな曲があるんだ!」、「こんな曲好きなんだー!」っていう、発見と、なんだか恥ずかしそうな歌い終わりの照れ笑いが入り混じったあの感じ。

 

 

 

んー。

 

僕は本当に、リサイタル大好きなんですよね。

 

2017年に行われた最初のリサイタルで雨宮さんが

 

「ここにいる私の歌を少なからず聴きたいと思ってくださっている方(中略)私がそういう人たちの前で好きな曲であったり、好きになったルーツやエピソードを交えて歌えて嬉しかったです。」

「大好きな曲を歌えて、この曲のこういうところが好きなんだって皆さんと共有できて嬉しかったです。」

 

とお話しされていて。

 

初めてのリサイタル、今でも忘れられない体験なんですけれど、そうやって「自分の好きなもの」を明かしてくれたり語ってくれたことが、とても嬉しくて。

 

懐古おじさんなので繭を吐くけれど、当時はまだそのような語りは馴染みなかった頃。

 

 

これまで話すに留めていたモノをああやって見せて頂けたこと、共有してもいいかなと、「自分が好きなモノ」や「ルーツ」を語ってもいいかなと思ってもらえたのかなってことが、とてもとても嬉しく、心の純度をぐんっと高めてくれたのです。喉奥の痛みと引き換えに。

 

「語る」っていうのは、誰に語るかですごくハードル高いものだから。

 

 

御本人の日常を彩る曲、『雨宮天』というアーティストの根底を彩っている曲に触れられるこの機会。

 

今回はそのホールにどんな曲が流れているのだろうとワクワクしながら、鬼が30秒数えている間に渋谷へ向かったのでした。


-Overtune-

会場内に夜の帳が下ろされる。

 

日々何かに追われたり背負ったりしながら藻掻いているけれど、「この帳がいつも、一度その荷をおろしてくれるんだよなあ。」なんて、ワクワクがふつふつと沸騰する中で、泡となって脳内に浮かんだり。

 

荒幡さんが演奏されるピアノ音色に乗って、上手から雨宮さんが入場。


1.Emerald / 雨宮天

「この曲が1曲目に来たか!」という驚き。

 

これまでのリサイタルでは「異邦人」や「北ウイング」とインパクトのある1曲目で、一気に『歌謡曲リサイタル』っていう空気感で包み込む感じがあったけれど、まさかご自身の曲で、同様に感じさせられるなんて、感激なのでした。

 

ファルセット部分が心地良く吹き抜けて、合流するイントロ。


このイントロの歌謡曲感、好きなんですよねぇ。


 

以前、よく聴く歌謡曲として「筒美京平」さんの楽曲を挙げられていて、「好きになりがち」とお話しされていましたね。(雨宮 天 わたしだけのモノではない。7年向き合った『七つの大罪』)

 

なんだろうな、こう。

 

この「Emerald」はメロディーに哀愁やババン!って感じがあって、本当に筒美京平さんが作曲された楽曲?ってくらい、「筒美京平っぽさ」を感じる一曲ですよね。

 

 

歌謡曲って「異国」や「船乗りの彼を待つ私」テイスト感ある楽曲が多い印象で。


誰かを待ち焦がれる慕情、「あなたの心が私から遠く離れてしまったこと」を暗喩している楽曲が多く歌われている印象なんですよね。

 

この「Emerald」もそちらに分類される楽曲だなあと感じていて、そこに結びつくように印象的だったのがライティングかな。

 

「何処に想いを馳せるの」とBメロ部分の、感情がさざ波のように次々と胸中に押し寄せてくる部分。あそこはライトが内向きにステージを照らしていて。

 

感情が昂るサビ部分では、ライトは客席を向いて想いが外へ吐露されていく感じ。

 

Dメロやラスサビの「碧い風が吹く」は、女性がぽつんと取り残されるような、ステージ上の雨宮さんにスポットしたライティング。

 

女性的な恋心を描いた楽曲の世界観をより感じさせてくれる演出だったなあ。

 

 

右足でリズムを刻みながら歌唱される雨宮さん。

 

Aメロのリズム感がお気に入りなんですけれど、やっぱり生歌唱はもっと心地良かったですね。


情景が淡々と紡がれていく部分なんだけれど、並べられた言葉を明朗に抑揚つけて歌唱されていて、すごく好き。

 

サビ部分「優しい嘘は やめて」の「やめてぇ」のビブラート、風力あって圧倒されたなあ。

 

 

「リサイタルに向けて『歌謡曲』を意識した曲になっています。」と昼公演でお話しされていた「Emerald」。


初披露がまさにそのリサイタルということで嬉しそうにされてて、なんだかそれが、とても嬉しかったのだよなあ。

 

夜公演では楽曲制作の際に、「異邦人」のような異国情緒のある感じにひと聞きぼれし、「これ私の曲にしていいの?」と感じたことも嬉しそうに明かされていましたね。

 

これまでリサイタルに向けて色々な楽曲を届けてくれていたけれど、まさかここまでゴリゴリに歌謡曲感ある曲調の、異国情緒ある曲が届けられるなんて身構えてなかったものだから、初めて聴いた時はビックリしたよね。

 

ビックリしつつ、好きなことを自分のモノにしていく姿に、硬く結んでいた口元が緩まされた、ひと聞きぼれだったのでした。

 

そんなもんだから、「リサイタルで、いろんな曲をカバーする中にふっとこの曲を潜ませてくれたら、嬉しいな。」なんて思っていたけれど、このリサイタルのオープニングだなんて。

 

嬉しいな嬉しいな。


2.十戒 / 中森明菜

《雨宮》

リサイタルへ、ようこそお越しくださいましたー!楽しんでいってください!

 

という声がイントロのジャジャーンと共に響き、歌い出された「十戒」。

 

声優グランプリさんの撮影の際に、カメラマンの方が「雨宮さんの歌謡曲好き」を知っていて、撮影中のBGMにこの曲をかけていたことが出会いだったということをお話しされていましたね。

 

「私もイライラされたい!」って思われたと言う部分はちょっとわからんけれど(?)

 

 

いやー、明菜さん好きを公言されるようになってから、いつかカバーを聴けたら嬉しいなと思っていたのがこの「十戒」だったので、イントロ聴いた時の昂りったらなかったよね。

 


中森明菜さんの歌声については、第1回のリサイタルで「DESIRE-情熱-」を歌唱された際に、「中森明菜さんは凄い低音でかっこいい、かっこよく歌われる方。」とお話しされていましたよね。


その明菜さんへのストロングポイントに最大限のリスペクトが感じられるような、熱く、でもクールで重みのあるAメロの入り。

 

そのAメロ、下手へ歩みながら、コードを手に持ち引っ張りながら歌う姿。


なんか、コード持ちながらって、なんか、こう、趣があるね(恍惚)

 

Bメロは冷たい眼差しで頬に手をあてたり、ゆらゆらしたり。

 

ご本家の映像を拝見する感じ、ここの様子もご本家を踏襲されている様子なんだけれど、コピーとして借りてきている感じが全然なく曲の雰囲気を作り出していて、こちらもそこに心地良く酔いしれることができたなあ。

 

 

そしてなんと言っても、雨宮さんの中森明菜さんカバーでの醍醐味と言ったらご本家の振りコピですよ。

 

振りがすごく好きで、カラオケで歌う時も実は少しやっちゃうくらいなので、それをやってくれていたのが嬉しかったなあ。

 

サビ前「言い訳なのよ」のぐいっと腕をひかれるような振りからの腕頭上ぐるんに、「さあカタつけてよ」のコレ、ね。


(これが2Bサビで上手の影に大きな像を描いて映っていて、かっこよかった...)

 

あと、「限界なんだわ坊や」の「なんだわ坊や」の段階的なココ!!

 

サビ部分ではセット背景が歌謡番組っぽくピカピカしていたので、なんだか、歌謡番組の観覧に来ているかのような懐かしい感じがしました。

 

あとあと、「つけ上がるの悪い癖だわ」のサムズアップ、サムズダウンを交互にやる部分ね!

 

そんで、最後のポーズまでしっかりリスペクトしてて。

 

いやあ、振り付けお見事...かっこよかった...。

ダンス苦手だとお話しされるけれど、原曲リスペクトを持ってしっかりやり切るという、こだわりの姿勢。本当に好きなんだなあって感じで、素敵ですよね。 

 

 

歌唱面もねぇ、強く中森明菜さんへのリスペクトを感じるような、強い女性感あるカッコいい歌唱で。

 

 

まず、サビ終わりのビブラート。

「イライラするわ」を伸ばした時の母音(a/i)がすごく綺麗で、うっとりしちゃったよね。

 

 

 

声色で特に好きだったのは、「発破かけたげる」の部分だなあ。

なんか、ど真ん中にズシンときたのよね。

 

帰ってからずっと雨宮さんの歌声で頭に流れているし、ちょうど仕事に戻って山場なうなんだけれど、頭の中で「発破かけたげる さあカタつけてよ」を流して、山を発破してます。

 

発破しちゃいかんが。

 

やーーーーーー、いつかカバーアルバムに収録してください!!!!

また聴きたい!!!!!!!

 


3(昼).いい日旅立ち / 山口百恵

山口百恵さんだ!!!!!!

 

昼の部のノートには、そう興奮混じりに殴り書きされていました。

山口百恵さん楽曲待望だったので、嬉しかったなあ。

 

イントロが流れ出すと、壁面に木々のシルエットが映し出される。

この曲は新幹線の発車メロディーで僕は馴染み深いんですが、そのシルエットが車窓を流れていく風景のようで、扇情的なのでした。

 

もう、新幹線乗るたびにに今日のことを思い出しちゃうね。

 

 

Aメロは低く、低く、哀愁が山に立ち込める霧みたいに降りてくる感じ。

車窓から遠くを見つめている、物憂い気な女性を彷彿させる感じ。

 

山口百恵さんリスペクトで直立不動での歌唱。

 

「あゝ」の揺さぶられるような声色。

そこに込められたものの重みを感じさせるような。 

 

 

んー。

 

なんだろうな、こう。

 

「いい日旅立ち」は先述したように、よく新幹線で聴いていたメロディーで。

 

ライブやイベント、そこで会った友人たちとの会話や遊んだ時間。

その日広がった光景を宵闇に溶かしながら、よく聴いていたメロディーで。

 

「帰って明日に向かう」ってことは、そういう別れ難いものとの別離っていう感じがして寂しさを覚えてしまうんだけれど。

 

でも、あのメロディーを聴いて存在の感覚を反芻していくと、この日々が僕を励まし続けてくれているんだなって、ちゃんとそうした日々と繋がっているんだなってことを思い起こして、「あゝ」っていう、あたたかいため息を吐かせてくれるんだよね。それで楽になるところがあったりもして。

 

ちょっと話が逸れたけれど、そういう時に感じている「ありがたいな」っていう気持ちを、届けられる「あゝ」の内に感じていたのでした。

 

ひゃー、素敵な歌唱でした。

 

 

山口百恵さんの楽曲については、ご自身はあまり触れてこなかったとお話しされていましたね。

 

併せて、Radio 青天井(ソロラジオ)に「掛けないんですか?」「おススメです」ってたくさんメールが来ていたことで、触れてみようと思ったという趣旨のお話もしつつ、

 

《雨宮》

今までのリサイタルは、『私が昔から歌ってきた曲』を歌っているんですけれど、今回は『みなさんから頂いたものや、スタッフさんに教えてもらった』新曲が多いんです。なので、イベントを通して、曲とも仲良くなりたいと思います。

 

 

というお話も。

 

冒頭に「カラオケに来ている感覚」みたいなお話をしたんだけれど、なんか本当に、オススメしあっている感じがして、楽しいなあ、嬉しいなあって、ニコニコなのでした。

 

(オススメ楽曲として山口百恵さんの楽曲をコーナーに送り続けていたので、嬉しかったなあ)


3(夜).プレイバックPart2 / 山口百恵

 

大興奮。

 

ひぃ…

 

ずっと、「ひぃ…」って感じでした。

 

強い…強い……

 

 

ソロラジオの「MOMO・SORA・SHIINA Talking Box 雨宮天のRadio青天井」にたくさんリクエストをもらっていて、日替わり曲にしたという山口百恵さん枠。

 

まさか、ここが変わるなんて、それも「プレイバックpart2」だなんて。

鳴き声あげそうなくらい、ビックリしたねぇ...。

 

 

以前、山口百恵さんの曲についての印象を「雨宮天のRadio青天井」にて次のように語られていましたね。

 

 

「『歌』なんだけれど、ちょっとこう、『台詞』、『喋ってる』、みたいな。滑舌がいいっていうのかな、歯切れが良くて、で、声もかっこいいから、なんこう、ちょっと持っていかれる感じありますよね。カラオケとかで歌う時はめちゃくちゃカッコつけて歌いたい」

 

 

 

それを強く感じさせる、Aメロからの山口百恵さん節満載の台詞回し。

滑舌良く、抑揚強く、畳み掛けるように。

 

「バカにしないでよ」

 

ひぃ…

 

「そっちのせいよぉ」

 

ひぃ…

 

 

巻き戻った後サビの部分。

 

「坊や、いったい何を教わってきたの」

「 私だって、私だって 疲れるわ」

 

ここの、なんとも形容し難い、こう、上から来る声色が堪らんかったですやね…。

 

「私の中で百恵さんって激しく動かない印象なんですけれど、でも、ずっと半目な印象なんですよね。半目で、見下したような表情をされて。こう、ね。なので、歌う時も百恵さんの気持ちになって歌いました。」

 

ゾクゾク。

 

 

あの部分を感情を殺したように、でも感情を突きつけるように歌唱されるのって、凄く難しい部分じゃないかなと思うんですけれど、しっかりモノにされていて。

 

なんだろうね、山口百恵さんの楽曲は「台詞色」が強いからというのもあるんでしょうけれど、なんだかキャラソンを聴いているような、歌詞というよりはこの人の語り方、みたいな受け応えがあったのでした。

 

山口百恵さん楽曲で「イミテイション・ゴールド」が僕はすごく好きなんですけれど、その台詞まわしがすごくカッコいい曲なので、聴いてくれたら嬉しいなあ(´×`)

 

 

それにしても、まさかこの令和3年に、イベントでプレイバックの手振りできるとは思わなくて、感激したよね。

 

夜の部で、

 

《雨宮》

いま気づいたんだけれどさ、「十戒」も「プレイバック」も「坊や」なんだね(笑) 私の願望も入っているのかな。いいよねぇ、坊や。山口百恵さんに「坊や」言われたら、みんな坊やになっちゃうよね(笑) 

 

なんてお話しされていたのが、すごく印象に残っています。

 

いやいや、雨宮さんの歌唱も、すごく、坊やにされちゃう感凄かったんですよ...(謎の日本語)


 

今回のリサイタルでは、ステージ上に喫茶店のようなセットが組まれていましたね。

 

卓を囲むように2つの椅子、「フリイジア」のMVで用いられたマイクスタンドに、カウンターテーブルにはレコードプレイヤー。

 

曲間のMCでは、

 

「リサイタルって、こんなだっけ?(笑)」

 

と、扉まで開いちゃう「喫茶店」を散策しながら、嬉しそうにされていましたね。

 

セットがあることで曲の感じ方にも奥行きが出てくるので、次回以降のリサイタルでもこういうセット作ってくれたら嬉しいなあ。


4.たそがれマイ・ラブ / 大森順子

印象的なイントロに酔いながら歌い出されたのが「たそがれマイ・ラブ」。

 

「社長のオススメプレイリスト」が出来上がるくらい、たくさん事務所の社長から詳細にオススメされた歌謡曲の中にあった一曲で、ひと聴き惚れであったことをお話しされていましたね。

 

 

この曲は、先述の"喫茶店"からの歌唱。

 

1サビ終わりまでは、卓の後ろに立っての歌唱。

眼前の卓は誰も座っていなくて、空席が2つ。

 

その光景と歌唱になんだか、その卓に2人腰掛けて楽しくお喋りしていた「あの頃」をなぞりながら歌われているような哀愁を感じたのでした。

 

 

トランペットの音が切ない間奏を挟み、「今は冬 そこにあなたはいない」と歌い出された2Aメロ。

ここからは片側の椅子に座っての歌唱。

 

向かいに座っているはずの相手はいない。

喫茶店には、「彼が立ち去った後の風景」がゆっくり流れているようで。

 

2サビ、椅子から立ち上がり、熱を込めて想いを歌い上げる。

 

アウトロ、相手との思い出をなぞるようにレコードプレイヤーに手を伸ばし、暗転。

 

 

 

《雨宮》

Aメロが好きなんですよね。妖しげて艶もあるし、んー、矛盾したことを言うけれど、軽やかだけれどめっちゃ重みがある歌唱で、素敵な歌声なので、ぜひ、御本家を(笑)

 

 

とお話しされていたけれど、Aメロ部分は「そこが好きなんだな」っていうのを感じさせるくらい、こう、矛盾したことを言うけれど、軽やかだけれどめっちゃ重みがある歌唱でしたね。

 

あと、「悲しみ色の日暮れにしていった」の、「いぃった〜」の「ぃ」の歌唱。ぐぐっと情に訴えかけてくるような歌唱で、素敵だったなあ。

 

哀愁ある素敵な歌だなあって聴いていましたけれど、この曲がサイン用のBGMになっているのは、ギャップがすごいですね(笑)


5.時の過ぎゆくままに / 沢田研二

イントロ。

会場壁面には樹海のシルエット。

 

喫茶店からステージ中央に戻る際、その樹海を歩んでいくシルエットが浮かぶ。

 

なんだろうね、こう。

 

ステージの明るいところに戻っていく姿と同時に、シルエットは壁面に投影された樹海の中を歩んでいて。

そこに二面性を感じては、虚空を掻いては、ノートに「#人生」って書いてたよね。

 

 

でも、なんだろうな、こう。

 

確かにヒラメロはすごく切なく漂っているような歌唱だったんだけれど、サビメロはあたたかみを感じるような歌唱だったんですよね。

 

 

陽を浴びて感じるようなあたたかさではなくて、日陰で感じるあたたかさというか。

 

日陰で凍えている人を毛布で包んで寄り添ってあげてるみたいな。

不正解な日に聴きたくなるような、諭すように優しい声色。

 

 

《雨宮》

「もしもふたりがあ〜」って、ミョ(⤴️)って上がるところがすごく素敵なので、御本家を聞いてみてください。

 

とお話しされていたけれど、まさにその、ミョって上がる部分が扇情的で。

 

あたたかかったなあ。

 

 

このリサイタルで教えてくれるまで知らなかった曲の中では、1番刺さったのがこの曲だったなあ。

後述のカバーアルバムにも収録されるということで、"そういう日"にヘビロテして浸るのも趣があるなあ、なんて、今からまた歌唱が聴けるのが楽しみな一曲です。


《雨宮》

次は松田聖子さんの曲を歌わせていただきます。松田聖子さんは、本当に、「THE アイドル」って感じで可愛らしい構成のアップテンポな曲もありますが、私は松田聖子さんのバラード曲が好きなので、そちらを歌わせていただきます。あのおめめのキラキラ、どこからきたの?って、生まれつきなのかなってね、思ったりもしますが(笑)


6.瞳はダイアモンド / 松田聖子

 

声色をカチッと変化させて歌い出された「瞳はダイアモンド」。

 

この、声色の変化っぷりがすごいなあと感嘆していたところで。

 

夜の部に直前のMCで「おめめのキラキラ」なんて冗談めかしてお話されていたけれど、その「キラキラ」感が歌声から浴びせられる部分として確かにあったのですよね。

 

甘酸っぱいとうか、ここまで歌われてきた女性たちの像には立ち現れない青さ、というか。

 

ヒラメロは、夜寝る前に誰かを想っているような甘酸っぱさを内に潜ませるように。

サビはその実が弾けるような、感じ。

 

ま、眩しい...。

 

各フレーズの歌い出しが、本当に松田聖子さんその人だったのよねぇ。

「Memories」の発音も少し特徴的に歌っているなあってご本家を聴いてみたら、しっかり踏襲されていて。

 

「いつ過去形に変わったの?」っていう歌詞がすごく切ないですわね...。

 

それにしても、

「時の流れは傷つけても 傷つかない心は小さなダイアモンド」という歌詞と

「私はもっと強いはずよ でも溢れて止まらぬ涙はダイアモンド」の対比、すんごい...

 

曲終わり、少し微笑み、会釈して、お着替えに。

 


- irodori (ピアノソロ:荒幡亮平) -

人気のない暗いステージに、そろりそろりと紡ぎ出されるピアノの音。

 

次第にそのメロディーは、雨宮さんの4thシングル「irodori」の輪郭を帯びていく。

 

どんどん調子を帯びて加速し、悪い感じにアグレッシブになっていくような音色で。

 

 

ちゃんへい2021(ふたまるふたいち)さんによる『irodori』アレンジ。

 

なんだろうな、こう。

 

深夜にコソコソと次第に大胆に悪さを行っていく感じがあって、聴いていてすごく楽しかったんですよね。

塩野さんがお話されていたような、悪い奴感。

 

直後のMCで雨宮さんが「リハーサルやるたびに、ちがうごとやってくれるんですよね。なので、「あ、さっきと違う」って。私はピアノが好きなので、ワクワクしますよね。」とお話されていたけれど、このピアノソロ、昼と夜とでアレンジが違くて両部とも楽しかったなあ(´×`) 

 

着替え中ということで、「後半のちょっとしか聴けてないんですよ!(笑)なので、ちょっと映像あったらあとでデータください(笑)」ともお話されていましたね。

 

雨宮さんのためにも、ぜひ、映像化なり音源化を(?)


リサイタルでは初めての試みとなった衣装チェンジ。

 

1着目の「フリイジア」MV衣装から黒いドレスへ。

 

「今回はテレ東音楽祭で衣装候補になっていた衣装です。曲の世界観であったり、あと『青』をいれたかったので別の衣装になりました。」と、2着目の衣装はテレ東音楽祭の候補衣装だったこともお話してくれましたね。

「でも、リサイタルにぴったりじゃんっ!」と青いリボンを付けてもらったという今回の衣装。

 

毎回リサイタルの衣装は「とっておき」感のあるドレッシーで、この場だからこそ感があって楽しみなんですけれど、今回も素敵でしたね(´×`)

 

夜の部ではSサイズピザから変貌していった帽子についてお話されていましたね。

 

僕は雨宮さんを通して、「手袋フェチ(irodori)」、「×マスクフェチ(いつだかのエジソンゲスト)」を開拓してしまっているのですが、どうやら目元にネットの付いた帽子フェチも掘削工事が始まったようです。

 

(目元ネットは、正直『The Only BLUE』のメイキングからその気はあったが)

 

 

 

《雨宮》 

ずいぶん豪華なひとりカラオケになっていますが、椅子出すのはセルフなんですよね(笑) よっこらせ。リサイタルは年々豪華になっていくのに、椅子出しシステムはかわらないという(笑) はい、えー、ここからは、ピアノの演奏と私の声だけで楽しんでいただきたいと思います。それでは、2曲続けてお聞きください。


7.for you… / 高橋真梨子

ピアノの音に吹かれ揺れるように歌い出された「for you...」。

 

語り

 

今日までの日々を、相手の影をなぞるように、「ごめんなさいね」

 

「苦笑いね」の苦笑感好き

 

「もしも会えずにいたら」からの盛り上がり

 

サビ、「きっと」のロングトーンからの盛り上がり、女性的

 

「あなたがほしい」、(どうにもならない)叫び

 

ずっと優しいピアノの音色=積み重ねてきた優しい思い出

 

体験してもないのにこの女性と一緒に彼との半生を追体験している没入感

 

間奏終わりから強い、サビの激しさ、相手への想いからの後悔、酔う、泣きそう

 

「なくさない」の声色、ロングトーン

 

最後まで、ピアノはずっと優しい、思い出はいつまでも優しい、残酷なまでに

 

 

 

 

雨宮エッセンスが盛りに盛られた歌唱でしたね。

 

 

キッズステーションで流れていた「昭和の名曲シーン」のCMで流れていた一節がおそらく耳に残っていたと、この曲との出会いをお話されていましたね。

 

子供ながらになんとなく耳に残って、離れない感じ、歌謡曲に結構ありますよね。まさにこの曲はそんな曲で、小学生時代に田んぼの用水路に葉を浮かべて水流レースしながら、「あなたがほし〜い」なんて歌いながら友だちと帰っていた日が思い出されます。

 

あれ、ランドセルを俺2つからっていて、友だちはランドセルをからっていなかったけれど、この記憶はいったい...。

 

 

あ、「からう」って方言なんですよね。

 

背負うって意味です。

 

 

 

あれ、なんの話?

 

 

からい

 

 

 

 

「テンポを自由に歌わせていただいたんですが、ご本家のAメロがめちゃくちゃ素敵で、歌だけれど語りかけてるみたいで。 」とお話されていましたが、印象残るサビ部分も好きだけれど、この感情吐露部分がすごく好きだなあ。


8.レイニー ブルー / 德永英明

優しく降ってくるピアノの音。

 

夜半の身を知る雨を彷彿させるステージでしたね。

 

 

1番は慎ましく弱々しく、「どうして」という戸惑いに降り募る雨のような歌唱。

 

2Aになると、なんだか歌声に「ピシッ」と芯が入ったような風に聞こえていて。

その部分を「もう、あの人を忘れよう」という覚悟のように聴いていて。

 

2サビは不在を自覚し、自分に言い聞かせるかのように、1サビとは異なる強度の歌唱。

 

 

でも、その後のサビはまた少し異なった強度を帯びた歌唱のように聞こえて。

 

「忘れようとすればするほど忘れられない」というか、思えば思うほどに想ってしまう、というか。

 

姿を追わずにはいられない、みたいな。

 

何度も何度も、鋭く自分に言い聞かせるような「私はそっと雨」。

激しくなる雨、盲雨。

 

 

その雨を吸った後の、あの崩落にも似たDメロの歌唱がとても印象的に脳に残っていて。

 

幽かに漏れる、lonelinessの息遣い。

 

 

《雨宮》

男性ボーカルなので、原曲とキーが違うんだけれど、その分、自分の個性を残せやすいんですよリスペクトいれつつね。自分の好きに歌える感じ。

 

とお話しされていたように、雨宮エッセンスを多く含んだ歌唱でしたね。

 

 

雨を聴いていたような、時間でした。


 

《雨宮》

私はピアノが1番好きな音色なので、なんだか奮い立たせられたり、呼び起こされるものがすごくあるなって感じながら、そのときそのとき出るものを大切に歌わせていただきました。

 

 

とお話しされていたのが、とても綺麗だったなあ。

 

 

 

実はピアノ曲のときはイヤモニを外してみんなと同じ音を聴いています。」というお話しであったり、

 

「レイニー ブルー」と掛け合わせて「そういえば、今日みんな来る時降ってなかった?降ってない?うおっ、よかった、そーなんだ、そのパターンあるんだ。」「そうか、今日はそっと雨じゃないんだね」と、お天気の話をしていたり。

 

 

ああ、この感じ、やっぱりいいなあって。

 

雨宮さんが味わわせてくれる『雨』感、好きなんだよなあ。

 

雨詩を催す

 

 

にゃー。

 

 


9.つぐない / テレサ・テン

「そう!昨日ハッてなって。『天ちゃんがテンさん歌ってる」って(笑)』」という「つぐない」・

 

哀愁と抒情たっぷりに。

 

連番したお友だちと昼の部終わりに話していたけれど、「つぐない」って平仮名4文字で言われると、TrySailの『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』タイアップ曲にありそう感。

 

上手、喫茶店での歌唱。

 

切ねぇ...悪いのはこの人だけれど、切ねぇよ...。

 

「あなた」「ひとり」部分の哀愁を込めた歌唱というか、末尾の「ぁ」「ぃ」の抜き方が、切なさこの上なかったなあ。

 

 

歌詞に物語性がある曲が多いからっていうのも要素としてはあるのだけれど、雨宮エッセンスの哀愁が加わると、より、登場人物の心情が慮れるところがあって、リサイタルの醍醐味のように感じています。

 

 

そうねぇ。

 

「不倫や失恋の曲」を好きになりがちで、そういう女性側の哀愁たっぷりの表現やメロディーにひよひよひよと吸い寄せられちゃうっていう趣旨のお話を苦笑混じりにされていたけれど、なんだか分かるなあっていう感覚もあって。

 

この時代の楽曲ならでは、の女性らしさっていうか。

 

歌謡曲でよく歌われる「失恋をしたり、誰かを待つ女性」を描いた曲って、なんか、みんな人として強い印象なんだよなあ。

 

大人びてるというか(男性の奔放さを描いていることが多いからより際立つ印象)。

 

歌詞は哀愁があるんだけれど歌声に強がりが込められていたり、反対に歌詞は強がりなんだけれど歌唱表現にどうしても哀愁が込められていたり。

 

 

そのギャップにやられる感じがある、というか。

(「つぐない」的には後者かな)

 

そういう意味では、「時の流れに身をまかせ」も、雨宮エッセンスでいつか聴いてみたいなあ。


10.悲しみがとまらない / 杏里

サザンか?ってくらい明るいイントロが流れ、「手拍子、聞かせてくださーい!!」と明朗な声が響き、歌い出された「悲しみが止まらない」

 

もう、字面が面白い。

 

 

過去のリサイタルでの「キャッツアイ」同様に、後半の盛り上がりパートとして歌われたこの曲。

 

 

1Aメロ、手拍子の中を上手で嬉しそうに歌う雨宮さん。

 

ニッコニコやん(ノート原文ママ)

 

ニッコニコな笑顔と明るい歌声から歌われる、女性の後悔。

 

「あの日電話が ふいに鳴ったの あの人と別れてと 彼女から♪」

 

 

こんな明るく歌ってる場合?!って焦っちゃったんだけれど、原曲からこんな調子で戸惑いがフルスロットルですよ。

そういう意味で「人として強い」って言ったわけではないんよ。

 

 

 

「I can stop \パンッ/ the loneliness〜♪」

 

間奏、手拍子を嬉しそうに煽る雨宮さん。

 

ニッコニコやん(ノート原文ママ)

 

 

2Aメロ、中央に戻りながら嬉しそうに歌う雨宮さん。

 

ニッコニコやん(ノート原文ママ)

 

 

コード引っ張って下手へ、趣。

 

 

2サビ前、相手の想いが自分に向いていないことを悟る歌詞からの、「奪って」の声色と盛り盛りのビブラート。

 

ニッコニコやん(ノート原文ママ)

 

 

 

曲中にメモしたノートの文字起こしを曲聴きながらやっていたんだけれど、ニコニコっていう文字ばっかメモしてて、めっちゃ笑っちゃった。

 

 

曲調が明るい曲だから楽しく歌ったという趣旨のお話の中にも、「歌詞は切ないので」というワードが節々にありましたね。そう、歌詞は切ないのよ。

 

「だれか救けて」っていう歌詞があるけれど、ここ、「助けて」ではないんだね。

 

 

なんだろうなあ、こう。

 

彼を紹介した友だちに彼を寝取られた女性の曲だと思って聴いているんだけれど、そうやって友だちも恋人も一気に失ってしまったら、 そりゃ「救けて」 という気持ちになるよね。

 

「助けて」は補助を必要としているようでまだ自分で立ち直れそうだけれど、「救けて」はそれ以前の苦しみを孕んでいる感じがあるというか。

 

なんでこんな明るい曲なんだろう、面白いなあ...。

 

 

曲終わり、「ありがとー!」と手拍子に応える雨宮さん。

ニッコニコやん(ノート原文ママ)

 

 


11.フライデイ・チャイナタウン / 泰葉

癖の強い都会的な前奏を受け、手拍子の中を、「It's So Fly-Day Fly-Day CHINA TOWN」

 

ここ、Fridayじゃなかったのね。

でも、僕の中では花金の退勤テーマ曲になりそうです。

 

「It's So~」でいきなりオクターブ飛んじゃう部分、強烈なインパクトでしたね。

雨宮さんの歌唱にも、その飛んじゃう部分にしっかりグラデーションが残っていて、気持ちい歌唱だったなあ。

 

妖しさ全開の曲調であったり、歌唱って感じで。

ステージは青みがかってネオン味のある都会的な雰囲気だったし、ご機嫌な歌唱に立ち上がって踊り出したいまでありました。

 

ニッコニコやん(原文ママ)

 

 

ヒラメロの擦れた声色、すごく素敵だったなあ。

 

あと、「何か飲みたいのよ」の「何かぁ↑」の歌唱、ググッと体を突き動かそうとしてくるようなエネルギーがありましたね。

 

 

ラスサビの歌い終わりとアウトロのちょっとした間。

雨宮さんが指をぱちんっとして雪崩れ込んでくるダンサブルなメロディー。

 

「前奏、間奏、後奏、大好きなんですよね。」とお話されていたけれど、なるほど、すごくわかる...。

 

踊りたかった。


■カバーアルバム発売について

やー、カバーアルバムの発表、嬉しかったなあ。

 

連番していたお友だちと、がっちり、固く握手しました。

これくらいは、許してくれ。

本当に、嬉しかったんだ。本当はハグしたかった。

 

リリイベのアンケート「、やってほしいこと」みたいな項目に「個展」と一緒にずっと書かせてもらっていたカバーアルバム。

(個展はMRでやってくれて嬉しかった)

 

んー。

 

嬉しそうにしてくれていたことが、嬉しかったのだよなあ。

 

 

 

1stアルバム「Various BLUE」発売に寄せたインタビュー(リスアニ2016vol.26.1)であったり、「irodori」のリリースイベントで、よくお話されていた『歌が好きだからこそ、自分のふがいなさが悔しくて、歌うのが怖くなったときもありました』という趣旨のお話を、思い出していて。

 

 

語られるエピソードやルーツを聞く限り、勝手な色の押し付けですけれど、御本人って歌が、歌うことが好きで育ってこられたと思うんですよね。

 

 

でも、そんな自分が好きなことで苦悩していかなければいけない、葛藤しなければいけないって凄く酷なことだなぁって、当時は切なさもあったりしたんですけれど。

 

 

駄犬なのでもう少し勝手に掘り起こしてしまうんですけれど。

 

でも、最初のリサイタルで雨宮さんがこうお話されていたことが、とても印象に残っていて。

 

 

<東京公演2部「irodori」歌唱前>

あのー、今日は本当にこのリサイタルをやれて、やりたいと言って良かったです。歌が、歌うことが好きな分、思い通りに歌えないことが苦しくて、気持ちが離れていた時もなくもないんです。でも、『irodori』を歌って、『irodori』を出す少し前から、以前にも増して70~80年代の曲を聴く機会があって、『やっぱり私もこんな風にキラキラして歌を歌い続けていきたい!』と、気持ちを取り戻させてくれた曲たちです。そんな風に力をくれている曲をみなさんの前で歌えて嬉しかったです。

 

リサイタルにある『喜び』って、まさにここに凝縮されている感じがあって。

 

好きなものを、これだけ嬉しそうに、届けてくれることが嬉しくて。

そういう自分も見せていいかなと思ってもらえたことが、何より、嬉しいのだよなあ。

 

リサイタルはなんだか、雨宮さんに取ってご褒美的なイベントで。

そこに甘えることは決してないんだけれど、僕らにとっても、なんだかご褒美的なイベントであったりするのです。

 

 

 

 

《雨宮》

カバーアルバム、恐れ多いですがこれ以上に布教する手はないよね!布教するぞー!

 

 

お陰で、もうすっかり歌謡曲好きです(笑)

届けてくれるのを、今からとても楽しみにしています。

 

 

 

■終わりの挨拶

《雨宮》

早いもので...

 

昼の部は、この時世で「えー?!」というお約束が返せない僕らに「普通ここで「えー!」って入るんだよね。ありがとう、「えー!」って言わないでくれて。心は伝わってきました。あっという間によく過ぎるね、リサイタルは。」と返してくれたり。

 

 

夜の部は、ちゃんへい2021(フタマルフタイチ)さんのピアノを使った抗議の音に驚き混じりに嬉しそうに笑っていたり。

 

やー、あったかいね、いつもここは。

 

 

 

《雨宮》 

今日も今日とて楽しかったです。ありがとうございました!

カバーアルバム出すんだけれど、私の歌はいいから、原曲を聞いてください(笑)

帰りにでもぜひぜひ、その素晴らしさに浸ってください。

最後は私が作詞作曲した曲でお別れです。


12.情熱のテ・アモ / 雨宮天


雨宮さんが作詞作曲をされたこの曲。

なんだろうなあ、こう、歌謡曲への愛がすごく伝わってくる曲に仕上がっていますよね。

 

すごく、大人な歌詞だなあ。


「愛の囁き」とか「抱き寄せる」とか、歌謡曲でよく愛情表現の婉曲として用いられる言葉がふんだんに盛り込まれていて、うん、歌謡曲好きなんだなあって(笑)

 

「キッスの雨」とか「シガーの匂い」って、もう今日じゃなかなか耳にしない表現だけれど、ピタッと曲にハマっていますよね。

 

その部分の歌唱も、色っぺぇこと、色っぺぇこと…。

 

しかし、『火花』といい今回の『情熱のテ・アモ』といい、あと、『The Clearest SKY』の朗読パートといい、色っぽい表現の描写力がすごいわね。



歌謡曲って、歌詞の中で「情景の描写(語り部的な部分)」と「登場人物の心情」を緻密に組み合わせてつくられているような特徴があるなあって思っていて。

 

フレーズを聴いたら、その情景がポンと脳裏に浮かぶんですよね。

今回の『情熱のテ・アモ』も、そういう部分がしっかり踏襲されているように感じられて、聴いていて、というか、メロディに体を預けていると気持ちいいんですよね。

 



「愛の囁きより 確かな熱を」の、「ねつーを」の落とす歌唱がとても気持ちよかった(´×`)


あとあと、サビアウトロ、「踊らせて」からのデデデデデドンが好き。踊りたい。踊らせてくれ。今宵私は蝶になるの。



いやー、雨宮さんの歌謡曲への「好き」が詰まったリサイタル。

そこで、自分で作った歌謡曲を熱唱してるんだもんな。


ニッコニコで、聴いてました。

凄いな、嬉しいな、嬉しいな。


「みんなが受け取って声にして返してくれるからこそ、いろんなものが実現していく」

 

「こんなに最高な一人カラオケなら、もっとやりたい!これからもいっぱい声を届けてください!そんなみんなだからこそ、私も届けていきたいって思います。」

 

というお話を、この日はいっぱいしてくれましたね。

 

 

「声を届けてくれてありがとう」

 

そこに対するこちらの想いは「声を受け止めてくれてありがとう」なんだよね。

 

本当にこれまで、いろいろ受け止めてくれているなっていう瞬間が色々な場であったけれど。

こういう間接的にしか関われない中で、虚像的な押し付けとか、評論的で悪意じみた言葉であったり、受け入れ難い言葉とかもあっただろうけれど。

 

それでも、声を受け止め続けてくれてありがとう。 

 

でも、「受け入れる」ではないんだよね、あなたは。

 

そこが、大好きなんよ。

 

 

今回のリサイタルの選曲も、社長さんやプロデューサー、スタッフさんという一緒に「雨宮天」を作られているみなさんからのオススメがあったりして、「楽しくチームでやられているんだなあ」感が感じられて嬉しかったし、ラジオ宛に届いたオススメ楽曲を聴いて好きになったという曲をセットリストに入れてくれていたり。

 

 

これまでリサイタルって、御本人の日常を彩る曲、雨宮天というアーティストの曲の根底を彩っている曲を教えて頂ける機会だったけれど、こうして、オススメを聴いてくれたり、実際に好きになって歌ってくれタイルすると、そこに新たに迎え入れられた感じがして嬉しかったです。

 

 

 

「私も勝手に楽しむので、みなさんも勝手に楽しんで(笑)」と夜の部冒頭に冗談めかしてお話されていたけれど、ここ数年感じている関係の心地良さはその『勝手に』感に立ち現れているような気がしています。

 

あまり信頼とか関係だとか、そういうのを口に出して言うのも野暮というか、口にしたらそれは違うものになるって思うから、これ以上は今は言わんけれど。

 

だってもう、積年の想いは全部伝わっているでしょう。

だったら、あなたはもう大丈夫でしょ?

 

これからも、好き勝手に、好きなようにいてください。

目印みたいに変わらないでなんて言えんからさ。

 

 

もう分かっていると思うけれど、それでも、在って欲しい姿を声にしていくことが「応援」だと思うし、あなたの好き勝手に繋がると思うので、これからも声を届けさせてください。

  

 

 

なんか恥ずかしいことを書いたので、「打倒サップ!」の鉢巻をしてサンドバックを叩いている。

 

It's So Fly-Day Fly-Day CHINA TOWN

 

 

ひゃー、それにしても、カバーアルバム、嬉しいなあ!!

 

だって、この楽曲陣よ?!

(雨宮天、初のカバーアルバム発売決定! 歌謡曲を愛する雨宮天が自身選曲のフェイバリットナンバー全11曲収録! ジャケット写真・収録内容を公開!)

 

 

個人的にめちゃくちゃ楽しみはのは、「恋におちて -Fall in love-」と「SWEET MEMORIES」なんですよね!!!

 

雨宮さんのあの、優しい歌唱が、今でも忘れられんでね...。

 

 

ここから要望ゾーン。

 

過去リサイタルで届けられた、雨宮天さんの「英語歌詞 低音歌唱」がとても好きなので、COVERS vol.2ではぜひカーペンターズを、何卒、何卒…。

(『恋におちて -Fall in love-』2番の英歌詞部分の歌唱も大大好きだったから、収録とても嬉しみ)

 

 

『飾りじゃないのよ涙は』が今後雨宮天さんのCOVERS vol.2以降に収められるのなら、コーラスで哲夫さん参加してほしいなあ…色々震わされたハモリだったのよね。

 

 

COVERS vol.2以降もどんどん続いてほしいなあ。

 

 

あとあと、カバーアルバム、発売時分にナタリーで須藤輝さんのインタビュー記事出てくれたら嬉しいな。

雨宮さんの内面にある感覚を言葉として掘り起こすのが長けてる印象だし、このカバーアルバムで感じたい部分(ルーツ、好きなところ、こだわったところ)はその内面由来だと思うから。

 

 

なーーーーんてね。

 

 

いやあ。

 

第4回雨宮天 音楽で彩るリサイタル楽しみにしています。

 

リサイタル、周期的に次が二年後だったら、あのお方は30歳だよなあって思考が行き着いた瞬間、何者かに鈍器で殴られた

 


「好きなもの」を好きなように語って、歌われる姿が何よりも嬉しい。


そう、あれら「月灯り」のリリースイベントの時。


同時期に刊行されたアニカンの記事月灯り:2nd Single Part2で『チョ・イ・ス』について「街中をスキップしながら、自分の好きな場所に、好きなことをしに行くようなイメージを持った曲です。」と仰っていたのを思い出しながら、いずれこの一緒に過ごす空間が、そんな風に「好きなことを好きなようにしに来てくれるような空間」になってくれれば、その空間を好きになってもらえたら、幸せだなと思っていたりしたのだけれど。


今回のリサイタルも、そんな幸せを感じられる空間でした。



そこに付随して押し寄せる感情は多々あるけれど、今は、この幸せな心地だけでいい。


 

本当に、「好き」っていう気持ちのデカさをリサイタルでは感じるような気がします。


 

何かを好きになると何も考えずにまっすぐに生きていけて楽しい。

 

その道が世間的に正解の道なのかは知らないけど、正解に行きたいのではないから。

真っ直ぐに行きたいから、これでいい。

 

 

 

 

 

リサイタル、久々に、雨宮さんのお陰で出会えたみんなに会った。

 

一緒にくだらないお話をして、ご飯を食べて、またぐだらないお話して。

 

日々の中で誰かと笑いあったり、気持ちが晴れたりするこもと勿論あるけれど、纏ったものがほろほろと解けていくような感覚になるのは、好きな人と言葉を交わした時だけのような気がする。

冷えきった身体をあたたかな湯船に沈めた時に思わず「あ〜」と声が湯と共に溢れ、脱力していくような、そんな感覚、というか。

 

 

これまで何度も繰り返してきた、好きな人たちと、好きな人に会いにきて、一緒に笑いあう光景。

 

こうやって好きな人たちと、好きな人に会って、一緒に笑いあうことって、こんなに幸せだったんだなあって、渋谷駅スクランブル交差点で別れてすぐ、喉奥が痛くなったのは内緒のお話。

 

雨宮さんがよく「青春」って今の僕らとの関係を形容してくれるけれど、本当に、青春だよね。

 

 

でも、お友だちの中には「行かない」っていう決心をした人たちもいて。

 

その人たちとずっと同じように応援してきたから、その瞬間に燃え上がるものを同じように見てきたから、どれほどその決断が断腸の思いであったのか、慮り切れないほど、やるせないんだけれど。

 

そんなみんなに最大限の尊敬と。

その想いが報われる瞬間が、また、一緒に笑い合う空間で在りますように。

 

 

雨宮さんと出会って、

この人たちと出会って、

毎日がそれどころじゃなくなって、ずいぶん経つ。

 

これからもよろしくね。

 

(竹取物語より抜粋)





雨宮天

歌謡曲カバーアルバム

COVERS -Sora Amamiya favorite songs-

 

2021年10月6日発売

 

★収録内容

01. かもめが翔んだ日

(作詞:伊藤アキラ 作曲:渡辺真知子 オリジナル歌唱:渡辺真知子)

 

02. みずいろの雨

(作詞:三浦徳子 作曲:八神純子 オリジナル歌唱:八神純子)

 

03. フライディ・チャイナタウン

(作詞:荒木とよひさ 作曲:海老名泰葉 オリジナル歌唱:泰葉)

 

04. たそがれマイ・ラブ

(作詞:阿久悠 作曲:筒美京平 オリジナル歌唱:大橋純子)

 

05. 時の過ぎゆくままに

(作詞:阿久悠 作曲:大野克夫 オリジナル歌唱:沢田研二)

 

06. 異邦人

(作詞・作曲:久保田早紀 オリジナル歌唱:久保田早紀)

 

07. 北ウイング

(作詞:康 珍化 作曲:林 哲司 オリジナル歌唱:中森明菜)

 

08. 悲しみがとまらない

(作詞:康 珍化 作曲:林 哲司 オリジナル歌唱:杏里)

 

09. SWEET MEMORIES

(作詞:松本隆 作曲:大村雅朗 オリジナル歌唱:松田聖子)

 

10. レイニーブルー

(作詞:大木誠 作曲:德永 英明 オリジナル歌唱:徳永英明)

 

11. 恋におちて -Fall in love-

(作詞:湯川れい子 作曲:小林明子 オリジナル歌唱:小林明子)


TrySail 4th Album「Re Bon Voyage」 9月15日(水)発売

 

LAWSON presents TrySail Live Tour 2021 "Re Bon Voyage" 9月~