The Age of Discovery


はじめに。

各寄港先の纏めはこちら。公演ごとに軽く振りかえりたい方はどうぞ。横浜公演はこの感想書き終えたら自分用にでもメモ形式で書き残しとこうかなと。詳細は映像を待とうかなと。

 

こちらは横浜公演を振り返りつつ、ツアー中から横浜へ帰港した際に書きたいなと思っていた事を書き連ねた日誌です。僕の日誌なので、僕がその時思ったことを書き残しておきたくて、結構主観に満ち満ちてます。



公演ごとにメモに分けて加筆してたので、所々繋がりがおかしかったりしますが、それもまた結び。

 

多分みなさん各々もみなさんそれぞれのユニークで交換不可能な気持ちをその時々に感じたと思うので、その僕の主観は置いておいてみなさんのそういった感情を思い出すソースになれば幸いです。

     

 

 

旅って、『異質な物/者と出会うこと』だと思うんですよね。それが異質であればあるほど空気が美味しいなぁーってなります。あ、この話長くなりそう。

 

さて、本題。お三方とのツアーは本当に『異質な物/者』との出会いに満ち溢れていました。

 

旅はいつだって五感を刺激してくれますね。

ソロデビューを噛み締める夏川椎菜さんとか、一呑みした後の北海道の心地良い冷気とか、やっぱり地元やねと思ったむっちゃん万十とか、名古屋のひつまぶしとか・・・お腹すいてるので味覚しか思い出せないや。



でも、確かに各公演のメモでMCなど、その空間に立ち現れた景色を読み返していて、とても異質に溢れているなぁと。


本当にありがたいなーって。


 

ふと、Bob Dylanの『Don’t Think Twice,It’s All Right』という曲が頭に。その一節。

 

You ‘re the reason I’m travellin’ on.

 

 

今までは『感情を探しに行く旅』だったけれど、今回の旅はそこに、僕にとって生まれてはじめて『誰かに会いに行く旅』っていう副題が付いた様な旅だったな。

 

これから、その旅の中で見つけた感情をつらつらと振り返っていけたらと思います。

 

 

 


開演

開演前、波のさざめきを聴いていて瞼の裏に映ったのは前回の横浜公演、『Smooth Sailing』の終演後の情景。

確か、波のさざめきの中旗が揺らめいていた様な。

 

旅の続きだよというのを大宮公演の開演前に感じたなぁと思い出しつつ、このツアーの終わりという事が意識されてかなり重たく感傷的になっていました。


Sail Out

このツアーでの、この曲の「急に愛おしくなる」でのスポットライトの照明転換がとても好きなんですよね。

 

ステージ後方から手前へ出て行く演出の時に、セットや壁面の黒い部分に映る影が実際にお三方が出て行くのと並行して影も出て行くのですよね、当たり前だけれど。その「出て行く感」が、「Sail Out」という単語の含意を垣間見させてくれます。

 

 

『Sail Out』って今まで公演最後の曲、その公演を終えて次の航海へ、という立ち位置が僕の中であったのです。

この曲が一曲目にあるのは、『これまでの公演からの航海の続き』という印象を受けます。そして、「大いなる助走」はもう終わりでありこれからの大航海時代を予感させるシーンですよね。

 

そういうこじつけをしたら、一曲目にこの曲があるのはとても心地よい重みがあるなぁと。

 

 

横浜公演では「もうこれが最後とふと思ったなら急にいとおしくなる」

いやぁ、歌詞が刺さる事刺さる事。

 

そういう風に急にいとおしくなるのは、ツアーの各公演、いやその日を待ったりその日に思いを馳せる日々がとても充実していたからだろうな。

 

 

横浜公演での、最後の挨拶がすごくこの曲の歌詞と色が似ていて今キーボードを叩いていて、とても喉奥が痛い。

 


BraveSail

「むかしむかし」で聴いて聴いて!って前に出てくるところが本当にこの曲の可愛らしさが詰め込まれていますよね、大好きです。

 

「険しい道のりでも構わない 海が見たくて 嵐の中でも歩き続けた」のところでスキップで前に雨宮天さんが出てくるところ、後述の「影も駆け出し」ポイントでしてね。

好きなポイントが点在しすぎて、一文一意になってしまいますね(笑)

「嘘つきキツネ」に入る前に下手からステージ上手側へ向かう際にクルリとその場で回転しちゃう夏川椎菜さんが可愛らしいなぁと。

 

そんなものはなーい・・・わはー、かわいい。

 

表情と仕草が豊かな曲ですよね。
Bサビ終わりの「いたずらカモメ」の所でメガネつくる雨宮天さんも好きですし、「大きなクジラ」の所の雨宮天さんの『あちゃー』とか、ほげぇーって捕鯨された感覚になりました。



 
そういう、言語的な形容じゃ汲み尽くせない、どこか見失っていたメガネで見せてくれる様な振り付け歌声だと思います。

童心に帰るというか、そもそも「こども」だった頃、目の前の情報を機能や意味に還元しない、ただ純粋に「ほげぇー」って楽しんでいた「こども」に戻してくれる、そういう楽しさを持った振り付けなんじゃないかなぁと。
 




「あたま・かた・ひざ・ぽん」を思い起こさせる様にひざ、かたを触るところもそう感じますね。
影、影言っていますが、この曲すごく影が曲の世界観を引き出しているように感じるのですよね。

スキップで駆け回るところ、影も船や灯台、ステージに限らず大小様々な影が客席や壁面を駆け回るのですよ。そこがすごくこの賑やかな、冒険のワクワクを感じる曲らしくてとても好きなポイントなのであります。

オリジナル。(名古屋/大阪/千葉/福岡/横浜)

イントロが落ちる水滴みたいな入りですよね。歌詞中の「君」と「私」、そういう「自分の水瓶」に落ちた水滴が波紋を生み出し、それが隅々まで静かに広がっていくような。

 

 

作曲者のミトさんがtwitterで公開されたメモに「異質性」という言葉がありました。

 

 

歌詞読んで受けた集団の中での「君」の異質さというか「私」にとって「君」との出会いは異質だったろうし、サビ前のギギギって音は異質な歯車が噛み合おうとしてるのかなぁって。そこから噛み合ってサビのあの感じだと思うとなんか背中が痒くなります。

 

 

『オリジナル。』最後の句点の解釈にも繋がるのですが、そういう「オリジナル」って部分は自分の中でその存在として閉じられたものであって、「これは私の」って、句点で。

周囲なんて気にせずそこは変えなくていいんだよって。

 

 

でも、僕は「オリジナル」って「実存」だなぁと思うんですよね。オリジナルってどう日本語で定義するか難しいですね。

 

確かに個々が持っている「個性」という定義が一般的なんだろうけれど、きっとそれは個々にとってもっと深いものであり、個性ってなんだか「不動なもの/揺ぎないもの」って定義が求められているようで。


まず自分で自分のものを「個性」って言うことってないじゃないですか。どっちかというと他人。


なんか、それに「。」をつけてると、それは自分じゃなくて他人に委ねてるみたいでちょっと嫌だなって。




でも実存には主体性があると思うんですよね。

 

「実存」って確かに自分の軸なんだけれど、まだそちらの方がこれからの変化を感じられると僕は思うんですよね。

 

冒頭でも述べたけれど、それまで自分の中になかった異質なモノ/物/者と出会い、確かに自分に起きたその現実において自分の実存を問いかける行為。

その誰かが作った規則やルール、この曲でいうなら空気、「空気読め」とかいうああいう空気によって既に完成されているものではなくて、その場その出会い限りでまさに生まれつつあるものを自分の中に作っていく。

それが「実存」だなと僕は思います。

 

だからそれは常に変化の可能性を秘めていて、でも揺るぎない軸となる、「オリジナル。」なんじゃないかなと曲を聴きつつこじつけました。

 

この曲では「同じ空眺めて別の星を見つける私達」というフレーズがあるけれど、はじめ異質であった「君」と同じ空を眺める中で、別の星を見つけるという事はそういう新たな「実存」が生まれつつあるのかなと予感させるのです。きっとそれは「君」も同じなのでは、と。

 

そして、ラストサビでは「別の空を眺め同じ星を見つけようよ」になっていますよね。

多分「私」にとって「君」とのかかわりの中で生まれたものが別の空の下へという突破口になったんだろうし、違う空の下にいる「君」もそうだろうし、それでも同じ星を見つけようという物語性が素敵ですよね。

 

セットの錨の様なものがこの曲では時計にも思えて。そういった「学生時代」という盤上で時が来たと踊りだし、そして閉じていく情景が強く焼きついています。

 

 

 それと、三人の交わりポイント終わり、最後に指を円陣のように突き出して刹那それぞれの陣へ向かわんばかりに、それぞれの方向を見定めて組んだ円陣を解消するところが凄く琴線というか、檻というか、猿檻の猿が檻を叩く様にもう揺れまくりです。

 

投げられたボールを「別の軌道で返せたら」という歌詞が凄く琴線というか、ガツンとやられたのです。

 

だいたいそういう歌詞って同じ軌道で返したりそういう「寄り添い」じゃないですか。

 

キャッチボールをしていて向こうがライナーやノーバウンドで投げてきたら当然同じように返したくなるじゃないですか。

 

それを「別の軌道でもいいんだ」と、違ってもいいんじゃない?と。ガツンと。



僕は未だイップスなので見当違いの方向に投げちゃうし、遥か手前でバウンドしちゃって届かないんですけどね。


でも、それでもいっかなー、なんて。



Bサビ前、三人が一人一人順に頭上で円を作る場面も好きなんだよなぁと。なんだか、三つの歯車が回りだして、噛み合ってはじめてサビへと続くような。

 


パーリー☆パーティ(大宮/仙台/札幌/横浜)

2016年内の公演で歌われたこの曲。前曲である『BraveSail』との世界観が近いなぁ、なんて。『BraveSail』が三人、三人との「出港」というなら、『パーリー☆パーティ』はまさに出港後の「船上パーティ」の様な。


BraveSailのラストサビで「乗りこんでおいでよ」と声をかけてくれて、そしてこの曲で「来た道、は違うけど。行く道、は同じだよ。」っていう繋がり。うん、好きだ。

 

 

 

という事を横浜公演前に書いてたら、横浜公演で再びその二曲の世界観が立ち上ってびゃーってなりました。

 

 

やったったーって感じの振りだったり、盆踊りみたいな振りがあったり、キレッキレな振りがあったり。本当におもちゃ箱みたいですよね。

 

曲ラストに三人で一人ずつ出てきて踊るところがこの曲で最も印象が強い振り付けです。特に、最後の夏川椎菜さんのキレとか表情とか視線の落とし方とか、凄いタイプです。

 

それと、灯台に映る影がめちゃくちゃ好きなのですが、ただの影じゃなくて、照明演出もありエフェクトのかかった影でして。曲調もあり振り付けで揺れる影が、ディスコの様なそういう妖しい影で好きです。


朗読劇

第1章:はじまりの冒険~サイタマアイランド~

第2章:博士を探せ!~センダイアイランド~

第3章:幻の動物~ホッカイアイランド~

第4章:戦国バスターズ~ナゴヤアイランド~

第5章:爆笑!もも1グランプリ〜オオサカアイランド~

第6章:ドリームマジック ~チバアイランド~

第7章:うどんキングダム~フクオカアイランド~

第8章:旅の終わり〜ヨコハマアイランド〜

 

お話については各公演簡潔に纏めてはあるので(千葉以外)割愛するとして。

 

僕は朗読劇好きなんですよね。朗読劇に関わらず『声優』、声でお芝居をするお三方を感じることができるので。

 

もう一つあって、まぁ『Try』にも結びつくのですが先日実家で雑誌整理してた時に、ミュージックレインの二期生オーディション、つまりお三方が受けたオーディションを開催するよって告知と『ミュージックレイン・宮本氏に直撃インタビュー!!』って記事を久々に読み返しておりまして。

 

そこでオーディションの冠にもなっていて、ミュージックレインさんが追求する基本テーマ『スーパー声優』について。

ちょっと宮本さんが仰っていた話の本質からは逸れるのですが(いつかはその記事での目線でお三方のことに触れたいとは思うのです)、『声優+α』という単語がやっぱり強調されていて。

 

 

歌手活動や各人の活動もその上でやられているんじゃないかなって思っていて。

雨宮天さんが自身の曲を「声優としての特権を活かして歌っていきたい」と仰っていたり、「曲によっていろんな世界観があるというのは、声優としていろいろな役を演じることに通じると思います。歌うことによって表現の引き出しが広がるし、キャラクターを演じていて得たものも歌につながっていると思います。」と仰っているように。

 

 

この『声優』としてのシーンがあるからこそ、よりこのライブが、お三方が+αを目指している人達だという事が思い出されて。

外れかかったメガネをまたかけ直してくれるんですよね。

 

僕はそういう朗読劇に関わらず、『声優』としてのお三方を見れる機会は今後も在り続けてほしいなぁって思います。

 

 

 

朗読劇はその土地土地での呼吸が感じれて、どの公演も、いえ千葉公演以外はその空間を、空気を鮮明に記憶のうちに蘇らせることができます。たっくさん笑ったなぁ。

素敵な空間を毎公演ありがとうございました。僕は五郎が一番好きです。

 


Chip Log

ピカーとどんどこ。

 

表情豊かな曲であるけれど、会場や歌う機会ごとに表情が違うなぁと。ある日は目を見開いて頬を緩めつつ歌われていたところが、今日は><やにへーだったり。そういう、その場限りで立ち現われる景色が眩暈がするくらい眩しいな、と。こいつ、また目眩がしてんな。

 

この曲って、このかわいらしい冒険って小学生時代の帰り道に田んぼの用水路に葉っぱ浮かべて友人達とレースしてた時の、あの葉っぱ船での冒険だなぁって思いました。お三方は雑誌で「二等身の私たちの冒険」と仰っているけれど、そういう可愛いらしい冒険。

 

 

 「おーえす」後のちょっとした転調、あの振り付けといい歌詞の調子といい、なんか思い浮かぶんだけれど思い出せない。

なんだろう、「えんりゃこらせーのどっこいせ」・・・でもなくて、なんかちょっと昔な感じの童謡っぽいやつで。そんなこと相談したら仲良くさせて頂いてる方から「ひょっこりひょうたん島」と導いてもらいました、それだ。

 

 

千葉公演では間奏部分、夏川椎菜さんと麻倉ももさんの真ん中に背後から割って入り、それぞれの肩をトントンと片手で叩く雨宮天さん。そして始まる大掃除。

 

三人のTRYにより変わりましたね。三人が考えてやる。後で触れようと思うのですが、曲に『呼吸』が感じられた部分だなぁって。今後この曲に限らずどの様なTRYを振り付けの中でしていくのか楽しみであります。

 

それと、「もっと!」での駆け出し影が凄く「冒険だ!駆け出せ!」って感じを助長させて良い。酔いそうなくらい。横浜公演は最終公演ということもあり、そこに感情を預けすぎちゃいました。

だんだん大きくなりながらぐわっとステージから自分の横面の壁を駆け出していくんですよ、好き。こいつ、また影の話してんな。


ソロコーナー

夏川椎菜:Daisy Days(大宮/仙台/札幌/大阪/横浜)

仙台公演の、家族揃ってDDじゃねぇか!ってオチと気だるさからのこの曲というのが強烈に印象に残っているのですよね。

 

曲イントロの『わくわく』を感じさせる様な両太もも横での腕ぽんぽんがこの曲のファーストインパクトでした。

 

夏川椎菜さんと言えばラジオでも「白黒」に纏わるコーナーをもたれていますが、この曲では白の衣装の夏川椎菜さんと浮かび上がる影の、黒の夏川椎菜さん、その二人を感じます。具体的にどこかと言えば、正直まだ明確ではないのですがその二人共が凄くその時間のその空間を楽しそうに跳ね回っている光景が好きです。

 

スカートをひらりひらりと舞わせたり、ちょっと弾いてみたり。

 

その場に咲き止まったり、ふわふわと風に花弁を舞わせてみたり。

 

千葉公演での、どきどきの重力から解放されたかの様に、軽やかに歌って跳ねる夏川椎菜さんが思い出されます。

ラストサビでの駆け出しとその影はデビュー発表という今日にはじまり、どこまでも楽しく進んでいかれる姿を連想されました。

 

 

横浜公演ではレコーディングに際して、改めて曲を新調したとのニュアンスのことを仰っていましたね。

 

そして横浜公演でも上手側側面に映ったデイジーの花の真ん中で歌うシルエットが。そして、ラストのサビで飛び出していかれました。

 

 

もうすぐ春ですね。

 

ちょっと気取った文を書きたくなっただけです。


gravity(名古屋/千葉/福岡)

重力、落ちていく力でさえバランスをとるように、むしろそこから抜け出す様な軽やかなステージ上でのステップを見ていると引力、夏川椎菜さんという星に引き込まれていくような感じがします。

 

 

あんな態勢なのだから当たり前の話かもしれないけれど、間奏のバランスをとる部分で足元に目をやりちゃんと気にされていたのが印象的だったなぁ。

 


麻倉もも:明日は君と。(大宮/大阪/福岡/横浜)

サビ終わりの都度に足を閉じられるのが、歌詞で紡がれている気持ちを表現されていて素敵だなぁって。

 

太陽を見かけると気持ちが溢れ花開いちゃうけれど、ずっと見てられなくて閉じて隠しちゃう心がアサガオみたいだなぁって(夜明けと共に咲いて、昼前には閉じちゃうみたいなので)



Bメロの恋を自覚したところで、気持ちと同時に後方へ下がっていかれて。

それでも、「伝えなくちゃ」と確かに繰り返しながら一歩一歩前に進まれているところ。ついつい拳を握って、でも固唾を飲んで見守りたくなったものです。


そして照明のお話。
「私の事を独り占めして」は内向きのスポットライトで、閉じ込めた気持ちみたいで。
「あーした(明日)は〜」は明日の自分にちょっとだけ期待するかの様に、ちょっとだけ外向きのスポットライト。
でも次の「伝えなくちゃ伝えなくちゃ」は内向き。

で、最後の「走れ走れ」は、ね。



曲調や展開的になるのは必然かなと言ってしまえばそこまでなんだけれど、雨宮天さんの“Various SKY”での『Glitter』もそうだったけれど、そういう心情のスポットライト演出ってけっこう好きで、今回のツアーでも照明演出で好きな箇所が多々あったのです(それを証明するのが難しい)

 


花に赤い糸(仙台/札幌/名古屋/千葉)

「一大決心の歌です。」、ロックバラードで、静かで熱い曲。この曲について常々その様に語られていた印象があります。
 
矛盾している様で、それが確かにどちらも立ち現われている様に思うのですよね。
閉じ込めた熱い気持ちと静かなまなざし。
冷静を保たなくちゃという想いと裏腹に、溢れだす熱い想い。
 
麻倉ももさんは歌声だけでなく、表情や振りからその「矛盾」を紡いでいく。「表現者麻倉もも」を強く感じる曲なのです。


隠していた気持ちや見せることは出来ない弱さ、内面を歌う歌だけあって儚げだけど、どこか力強い感じ。泣きそうになるくらい。

そんなに弱くもないのに甘えたい、そんな歌詞を感じる曲。


仙台公演が一番残り香強いかなぁ、Cメロの前には少しほどけた笑顔で階段を降りていらっしゃるところが毎公演胸がずくずくしました。

 

千葉公演では、曲中に天井に映るライトが花弁の様に思われまして。合わさりそうで、合わさらない姿がさながら本編中の雛ちゃんと恋雪先輩の気持ちみたいだなぁ、それが麻倉ももさんの切なく迫力のある歌声にあわさって素敵な空間だなぁって思ったり。

 

小さい花が自分を大きく見せようとしているかの様な、「あーあ」のスイッチの切り替えの振りが心抉られるポイントです。

 


雨宮天:Absolute Blue(仙台/名古屋/千葉/横浜)

雨宮天さんの足元からライトが波紋の様に会場に広がり、壁面の壁に到達するや歯車にかわりそれが回転しだすんですよね。

そして「廻る命逆らって 確かめたいよ 永遠の輝き」と歌われるところ。

 

まるで雨宮天さん生み出された想いが外に広がっていくような感じがしてなんとも形容しがたい気持ちになりました。

 

 

Bサビ前、上手側で歌唱されている際にスポットライトが後ろから照らしたり消えたり。影が壁に浮かびあがったり、消えたり。

 

憂鬱から踏み出せないでいる気持ちと、「恵み」や「叶うこと」に疑心というか、すがるというか。そんな相反する二つの心情が現れては消えていく様でした。

 

 

“Various SKY”東京公演では次の様に仰っていました。

 

私も『Various BLUE』の曲と出会ったばかりです。初披露の曲も多くて、まだまだ私と曲達は出会ったばかりです。

これからも皆さんの前で歌う機会があれば、この曲達を雨宮天の曲にしていきたいです。

 

そう思わせてくれる曲ばかりなんです。大好きです。

 

今日盛り上がったのは、私のところにきてくれた楽曲のお陰です。

 きっとたくさん聴いて、大切に聴いてくださってる、この曲を好きだと思ってくださる皆さんに感謝です。本当にありがとうございます。

 

 

今はまだこの歌を歌うのに、世界感を表現するのにいっぱいいっぱいです。

 

もっと世界感を広げていきたいです。

その為には皆さんの手伝いが必要です。皆さんの盛り上げが必要です。

ライブで歌の世界観が広がる、広げられる様に自分を成長させて、歌も成長させたいです。

 

 

 

Various SKYの頃と比べて明確に色彩として感じる事はできないけれど、確かに各会場でアルバムの二曲を歌うごとに青の密度が増しているように僕には感じられました。

 

どうも、今の僕では形容、汲み尽くせない気持ちです。


Silent Sword(大宮/札幌/大阪/福岡)

思い出されたのは札幌公演。

お風邪を召してましたね。

 

でも、本当に風邪をひいてるのかと思うくらいのステージで。

なんでしょうね、この曲すごく北海道だなぁと感じるのです。ほら、襟裳岬とか尖ってるし(違う)

 

厳しく鋭い場所でも何も動物に限らず生命の脈動は流れ続けてきた訳じゃないですか。知床とか。そういう鋭い所で流れてきた血と、もともと大和民族にとっては未開の地だった訳ですよね、そういう未開の域に鋭く前に進んでいく様な。

 

そういう二面性を感じるなーって。雨宮天さんの姿と重なるような。

何言ってるんだろう寒いな炬燵入って寝よう。

 

というメモを見てどういうことだろうと考え込んだのですが、やっぱりよく分からなかったです。

 



じゃぁ、大阪公演はどうだとメモを見ました。

 




 

やっぱり、このオリックス劇場で雨宮天さんのソロを聴くと特別喉奥を締め付けるものがあるなって。

 

もうあれから1年の1/4を使ってしまったのかと、周りの方と月日の流れる事の速さを寒さ以上に感じましたね。

 

でもまぁ、やりたい事の為にやれる事はやれてるか分からないけれど、今やれる事はちゃんと続けていきたいなぁと。

 

「青を備えてるものは自然界には存在しない、青は光と空間が作用して生まれる。」って昔何かの本で読んだけれど、言葉では囲い込めない様な個人のどうでもいい気持ちを、あの日とは違った、ダンサーさんがいない事によより感じられた雨宮天さんという人のカッコよさと会場の光と熱気が作用して作りだされた青に、気持ちを溶かしていました。

 

 

それと、セットの「錨」の部分に浮き上がるスポットライトに当てられた模様がちょっと頭おかしいと思うんですけれど、「金剛力士像」とか「狛犬」だなぁって思ったんですよね。

 

 

 

書いておいてなんだけど、「ちょっと金剛力士像と狛犬だな」って思う事なんて、今後の人生、転生してもないと思う。

 

 

 

 

その時は錨見て「石造っぽい」と思っただけなんですけれど、金剛力士像も狛犬も阿形,吽形で、

 

 

阿形像は怒りの表情を顕わにし、吽形像は怒りを内に秘めた表情に表わすものが多い。こうした造形は、寺院内に仏敵が入り込むことを防ぐ守護神としての性格を表わしている。(http://www.7key.jp/data/thought/hotoke/niou.html)

 

 

 

とまぁ、そういう意味が 

 

「邪魔するもの許さない 吹き飛ばせout of my way」→阿形

 

「心の底に隠した あの日の誓いは今もまだ この胸を揺さぶる 迫る未来に嘘はつけない」→吽

 

そして、どちらもそれは境内に隠した「貫いてるスタンス」や「あの日の誓い」、「誰にも言えない誇り」をそれぞれの形で守ってるんじゃないかなって。

 

 

こじつけてみて、言葉足らずな部分結構あるなぁ、伝わるといいなぁと思うんですけれど、結構好きな感じにこじつけられたなと(満足)

 

 

錨を実際に血が流れていく感じも印象に残っていますねー。

 

 

そう考えると錨も海の底()にあって、その内の部分がどっしりとしているからこそ鎖錨で繋がれた先。

 

海上の船はどんなに強い雨風でも、流されることなく受け入れることなく、確かにそこに存在し続けられるのかなぁと。

 

 

 

 

 

何言ってるんだろう。


あとの公演のメモは雨宮天さんの纏われたかっこよさに打ち負かされて完敗状態でした。


でも、そのあとの打ち上げの乾杯は毎回美味しかったなぁ。熱燗で乾杯するとこぼすから練習しておきます。

 


ゆずれない願い(大宮/札幌/大阪/福岡)

ゆずれない願いはアニメ本編観てた当時の記憶思い出すのもあるのですけれど、何より跳べないハードルに負けそうな方の気持ちで聴いちゃうというか、原曲は優しく諭される様な印象受けるんですよね。



けれども、カバーの方は麻倉ももさんの最後の閉じ方も含めただそのかっこよさ傍観してる感じで。



「この願いは譲れないんだ!」っていう、いい意味で暴力的な力に圧倒されていました。


銀河鉄道999(THE GALAXY EXPRESS 999)仙台/名古屋/千葉/横浜

これまで歌ってこられたハモり曲の中でもアレンジ要素は少ないかなってのが1回目の印象だったんですけれど。



また聴いてみるとこれまでの「主旋律と副旋律、ズバッとドーンッ」的な感じじゃなくて副旋律が主旋律並に音の動きがあるのに、主旋律と上手く共存し主旋律を際立たせている様に感じたんですよね。


 

疎いので具体的にどこがどう進化したなんて形容詞が見当たりませんが、確かに『挑戦』を感じる『挑戦』だったなと。壁面や天井に浮かび流れる星星、いや、あれは列車と考えた方がロマンチックなんですかね。


空間としてのライブを凄く感じる曲でした。

 

 

出発を迎えて客席を飛んで行ったスポットライトの、希望で膨らんだ風船が、「さあ行くんだ」と決意を固める三人を導く様に天井で歌いだし直前にパッと星に変わったなぁと感じられるあそこが、ふうっと息を吐きたくなります。



 

 

そして、書くかどうか迷われたのですが、確かにライブ中に感じた事なので書こうと思います。

 

 

 

 

 

 

昨年の十二月、祖父が亡くなりました。

 

前日の夜中に危篤の報せを受け、週末だったので一番早い飛行機も空きがなく、始発の新幹線に飛び乗り福岡に帰りました。

五時間の旅。眠りから目覚め小倉駅ホームに降り立ち、スマホを見ると母から訃報が入っていました。

 

張り詰めていた気が急に、静かに漏れ出し茫然としていたその時、向かいのホームから福岡を離れる便が出発の時を迎え発車メロディが流れ出しました。その曲こそ、『銀河鉄道999(THE GALAXY EXPRESS 999)』です。

 

2016年の3月9日(博多駅は3月中旬)から、山陽新幹線の新神戸・岡山・広島・小倉・博多の発車メロディが『銀河鉄道999(THE GALAXY EXPRESS 999)』になりました。

 

小倉という地はこの曲にとっても特別で、原作者の松本零士さんはこの地で原作の着想を得て、そして十八歳の時小倉から上京されたそうです。記念式典で以下の様に語られています。

 

「本当に夢のよう。自分の志の出発点で自分の作品の曲が流れることに感謝したい」

「関門トンネルに入るとまるで宇宙に行ったようで、孤独な旅だが夢が生まれた」

 

僕も上京する際小倉駅から旅立ちました。そんな、出発の土地。祖父が戦後安息の地に選んだ、祖父との思い出が詰まった北九州という土地。

 

葬儀を終え、小倉駅から再び東京に出発する際送り出してくれたのもこの曲です。

 

 

さあ行くんだ その顔を上げて

 

思い出の詰まった土地でそのフレーズのメロディが流れ出し、そして祖父は次の旅へと出発していきました。

 

 

あの人はもう 思い出だけど 

君を遠くで見つめてる

 

地平線に 消える瞳には

いつしかまぶしい 男の光

あの人の目が うなづいていたよ

別れも愛のひとつだと

 

松本零士さんは併せてこう語りました。

「若さほど素晴らしいものはない。みんなへこたれずに頑張れよ、と応援を送りたい」、と。

 

この曲が歌われたのは名古屋、千葉、そして横浜公演。

感情の押し付けだけれど、そう応援されている様で、眩暈がするくらいのエネルギーをもらいました。

 

原作者の松本零士さんは、クラシック指向であることから、当初こそゴダイゴの主題歌に違和感を感じていたものの、メーテルと鉄郎が別れるラストシーンにおいて、希望に満ちたこの主題歌が流れることによって、「鉄郎は大丈夫だ」ということを感じ、彼の未来を案ずることがなくなった仰っています。

 

お三方のパフォーマンスは「じいちゃんにもう大丈夫だと思ってもらえるような自分でいなければ」、都度再認識させてくれました。

 

心地よいハーモニーは祖父との思い出を、サビの揺るぎない強さは祖父との思い出を胸に自分の道へ再び出発せねば、という湧き上がった気持ちを再認識させてくれました。

 

The Galaxy Express 999

Will take you on a journey

A never ending journey

A journey to the stars

 

銀河鉄道999は

君を旅へと連れ出してくれる

終わりなき旅へ

星へと続く旅へ

 

僕にとっての「999」はTrySailではありません。

僕にとっての「999」は、その揺るぎのない意志です。これは僕の旅なのですから。

 

TrySailのお三方にとっての旅が、TrySailの航海が波間に浮かぶ星に照らされていますよう。

 

 

この曲を歌っていてくれて、本当にありがとう。


センパイ。

それでもちょっと近づく」は前へ。

 

でも、AメロBメロ共通して「明日も()~」は後ろに下がっていく。

 

自問だからやっぱりちょっと自分の気持ちに躊躇うような。ちょっと憂鬱な明日。


そしてそこからの助走のための助走、なんだろう、タッチアップの時に良いスタートを切るために重心をベースに預けるじゃないですか、ああいう…


何言ってるんだろう、でもあの一瞬重心を後ろ足に移して、気持ちに踏ん切りをつけてそして前に飛び出していくところが、とーーっても好きなんですよね。





「負けてないですよー」で影と一緒に前へ飛び出していく雨宮天さん。影はもっと先へ飛び出して行くようで、さながらセンパイへの気持ちなのかなぁと。



先輩に気持ちをぶつける様に、出て行く様でガツンと来て傷跡が残っております。


それと同じくらい印象に残っているのはサビ終わりの指使い。



Aサビ終わりではまだ余裕があるかのような、少しセンパイを弄ぶ様に人差し指をくるくる、Bサビでが「センパイ気づいてよ・・・」とでも言いたげに背中をなぞる、そして最後は手を、気持ちを開いて「さようなら」、いやー、お見事。




「君じゃなければ良かったな」で実際にステージ後方へ下がっていかれた様に記憶しています。


いや、下がっているっていうよりは『卒業してしまう人』に置いていかれている様な、


『少し先に生まれてしまった人』との縮まらない、むしろ開いていく距離をそのシーンに感じます。



「センパイ、さようなら」

「センパイさようなら」じゃなくて、一瞬間があること、そこに思考を預けてみるとその部分こそこの曲を抒情詩たらしめている部分だと思うんですよね。
 
「センパイ。」である事も、そう「センパイ。」なのですよね。


「センパイ」という関係から進展するでもなしに、「センパイ」は「センパイ」のまま。
だからこそ、関係は「センパイ」で終わるからこそ、「センパイ。」なのかなぁと。

 
「先輩」じゃなくて「センパイ」なのは、なんか、つい口にしちゃった音の様に感じます。ルビの様な、呪文の様な。


でも、センパイにとっては歌詞にもある通り「後輩」なんですよね。そういう記号的な括りの中の一人という。
 


舞台挨拶でこの曲の印象について夏川椎菜さんが仰っていたこと。
 
「使われている言葉が分かりやすいというか、ストレートに想いをぶつけているというか。こう思ってる、こう言いたい。伝わってきたものそのままですよね。」



かかわり(名古屋/大阪/千葉/福岡/横浜)

歌詞がまだわからないので違っていたらごめんなさいなのですが、「最初から最後まではじまりはない」とか、そんなフレーズがあったと思うのです。

 

そこで湧いたイメージが『○』です。

 

まだ発売されてないし、イメージを固めるのは良くないんですが、糸巻いたりするような振りがあったり、サビ終わりの区切りながら歌うところの振りが絡まった糸で身動きとれなくなった傀儡とか、なんか絡まったかかわりを一生懸命解こうとしている様にも見えて、現状そんなイメージをもってまして。

 

 

ひとりひとり、時に手繰り寄せ紡いでみたり、自分で紡いできたものを他の人と絡めてみたり、そうして絡まったものを振り払おうとしてみたり。

剥がしたいけれど剥がせない、かかわりみたいな。

 

 

 

そういう自分以外のものとかかわることへの葛藤かなぁと。サビの力強さというか葛藤具合が好きだなぁ。

 

 

毛糸玉、絡まった毛糸玉、かな。その中に閉じ込められているような。

 

という身勝手な解釈なので、早く発売して頂き歌詞カードや雑誌記事で語られる内容に介錯されたいです。


whiz(大宮/仙台/札幌/横浜)

心電図、イントロのお越しが心電図の様に感じられるのですよね。風がふわっと吹き、舞い上げられる様な。

 

前にMCでも仰っていたけれど、目を合わせての絡み、「なんか 気持ちがいいね」で互いに目があった一瞬の、安堵感の様な微笑みが、なんか気持ちがよかったですね。

 

 

横浜公演では前曲が『かかわり』でしたが、そこからふいに、一本、「はじまり」が出てきたような。フラットな心電図が、ふと「w」を刻む様な。



新たな風を感じた様でした。


ウェーブ

いやぁ、前半戦は海藻が押し寄せたり、後半戦は本当にいろいろありましたね。

 

ニンジャスレイヤーみたいな断末魔あげたり、鳴いてみたり、ヤーッ!だったり、お三方を石化させそうな高音波だったり。

 

その中でも、やっぱり触れたいのは故郷の福岡公演ですかね。

 

僕の中にある思い出として「ヤーッ」(「ヤー」ではない)ってみんなで揃えて、瞬間に湧き上がり完結するものだったから、こういう連鎖って新鮮で面白かったです(間違いなく先生はキレる)

 

 

先公「『ヤー!』じゃなくて『ヤーッ!』、やり直し!座りましょう、座れ!」

 

ヤーッ!/

 

先公「いいか、『ヤーッ!』だぞ?立ちましょう、立て!」

 

ヤーッ!/

 

先公「前にぃー、ならえ!」

 

ヤーッ!/

先公「そこにはいらない!やり直し!座りましょ(以下エンドレス)

 

 

これテンプレート。

僕は朝礼台の上からこの指示やったことあるけれど、一回でズバッといくととても気持ちいいのでいつかお三方にもそういう機会があれば体験して欲しいなぁーなんて。

 

今後どういうウェーブが来るのかも、楽しみですね。

 

 

余談ですが、北海道での「青がいい・・・!」の駄駄がその後数日何度も脳裏から襲ってきたのでした。


会場限定曲

○大宮

primary/あかね色

 

○仙台

ホントだよ/僕らのシンフォニー

 

○札幌

primary/明日も晴れる

 

○名古屋

sewing dream/あかね色

 

○大阪

primary/僕らのシンフォニー

 

○千葉

sewing dream/明日も晴れる

 

○福岡

ホントだよ/あかね色

 

○横浜

ホントだよ/sewing dream /明日も晴れる

 


primary(大宮/札幌/大阪)

本当にいい意味で間がない曲、続々押し寄せる波の様で。

 

「ハグしよう!」では毎回前にかけ何人か沈んで行くので、毎度モーゼになった気分になります。

 

サビ終わり「目一杯届けるから〜」からの一回腕を開いて、また戻ってくる、能みたいなお三方の戻しが好きなのですよね。曲に合わせると押し寄せた波が戻っていくような、と言いますか。

 

「スキでしょ」で物理的に鼓動が弾けちっちゃった後に、勝手に呼んでるシャンプー頭ごしごしで、毎度鼓動は完全に弾けきったのでありました。(メモにはシャンプー頭ごしごししか書けてない)


あかね色(大宮/名古屋/福岡)

特に強く印象に残っているのは福岡公演ですかねぇ。やっぱり地元福岡だからでしょうか。


この曲が流れ出すと本当に「楽しい時間はあっという間ですね。」という気持ちになります。

 

僕の中では幼少期に楽しい時間の終わりを告げていた5時のサイレンと夕焼け空のイメージ。



「17時」って言い始める前の、まだあの時が「5時」だった頃。



だから、この曲を故郷で歌ってくれたのはとても嬉しかったなぁ。


まぁ、あの頃の夢の色と今を比べるともう全く違う色ですけれど(笑)

 

あかね色の日差しに包み込まれながら階段を上っていくお三方の影が強く脳に焼き付いています。

 

以前からでしたっけ、あかね色のラストサビをお三方ともそれぞれのパートの最後の母音まで伸ばすようにアレンジされていたのは。

 

福岡公演では雨宮天さんが次の様に仰っていました。

 

「意外とみんなで作る曲だよね。」

 

続けて振り返った時の一面のオレンジの情景を言葉にする麻倉ももさん。


あのアレンジの部分は、なんだか本当にその時だからこそ立ち現われた気持ちがその空間に溶けていて、綺麗な抒情詩だなと感じました。


ツアー中の『あかね色』では毎回そこに込められた想いに思考を預けたくなりました。

 

 

 

あかね色の曲終わり、暗転した暗闇を次のコーナーに備えて錨が上がっていくところ夕闇から夜の闇を経て『コバルト』でその闇が閉じられ、次の『High Free Spirits』である夜明け前の出港、そして昼の喧騒の様な『Baby My Step』へと続いていくのはツアー中密かに好きなポイントだったりしました。


あと、二度目の「きっと」の前のブレスが好きです。

 


ホントだよ(仙台/福岡/横浜)

まぁ、海が割れる曲ですよね。麻倉ももさんがモーゼの様に見える時があります。

 

他の曲もそうですけれど、ワンフレーズに合わせて顔の表情から指先、足の動かし方まで表現されているのかなぁってポイントが随所にあって。

 

このツアーではそこにステージの使い方まで含めて曲の世界を考える時間がたくさんあってツアーってこういう楽しみ方が出来るんだ、またやってほしいなぁと思いました。

 

福岡公演の「ようできとーよ」は、地元でそういうアレンジをしてくれたのが嬉しかったですね。

それを同じ福岡が地元で福岡が大好きな人達と共有できたのは、記事の本筋からは逸れますがとても嬉しかったです。

 

 


僕らのシンフォニー(仙台/大阪/横浜)

やっぱり裾野が広がっていく感じがして大好きなんですよね、この曲。

僕はこの曲がTrySailの曲で二番目に好きです。
大きな間奏では「行くよ!!」と煽る雨宮天さん。

この曲を歌う雨宮天さんがとても幸せそうでとても好きなのです。


二番サビ終わりからか、より旺盛になる雨宮天さん。


大阪公演のメモ。


さらに笑顔が弾け、サビでは追い込み漁の如く大きな懐を作り、あれなら無人島にいてもヘリコプターは気づくだろうなってくらい大きく腕を振る雨宮天さん。

とても満足感の強いひと時であった。

明日も晴れる(札幌/千葉/横浜)

自分の道をがんばらなきゃなって、おもえました。


sewing dream(名古屋/千葉/横浜)

かあいい。「なんだってOK」、かあいい。

 

 

間奏だったかな、「いくよー!」と一声掛け踊りだす三人。今までなかったような。これも散りばめられたTRYの一つだったりするのですかね。

 

他にも「こっちだよー!」と客席を煽る。

 

印象に残っているのは千葉公演かなぁ。

前曲が確か、『かかわり』で。

 

 

 

こっちは前曲の『かかわり』と比べると『つながり』というイメージでしょうか。

 

そういう繋がりは偶然なのでしょうが。


コバルト

この曲の前に、のぼっていく錨。MCでも仰ることが多かったですが、ここから一気にいくぞという様な。

 

そのタイミングが『コバルト』の前ということで、出会って、いろいろな経験をして気持ちを海底から引っ張り上げられていくイリス…。いや、イリスとナギサの記憶…。


そんな辺りのこじつけを大阪でしていたら閉まったエレベーターの扉にぶつかったことを思い出します。旅の思い出はいつも曲とともに。

 

 

 

前の二曲がどの曲になっても気持ちはそこで吹いた風に巻き上げられ、そして刹那コバルトに染められていくのですよね。

 

コバルトの振りというか、感情が出る部分というか(ほとんど振りみたいになってると思いますが)、「抱えきれない」で腕を下に振り下ろすところが好きです。

自分自身も、なにかと下に振り下ろしちゃうのでなんか凄く気持ちが乗りやすいというかさらっていく曲ですよね。


High Free Spirits

生バンドでも聴いてみたいけれど、僕は一番ピアノアレンジからの二番入りで叫んでそこからバンドサウンドっていうライブアレンジが大好きでいつか聴いてみたいけれど無さそうなので頭の中で楽しんでおきます。

 

意識にとまったのはつい最近なのですが、Bサビの「彷徨うけど」で力こぶを作る様に肘をたたみ体の中心から離していくところが、なんでしょうね、本筋というか航路と言うか、気持ちであったり、そういう「何かから離れていく、彷徨う、迷う」姿を想起させます。

 

これは杉田先生が指導なされたのですかね、サビ途中に三人が客席を見下ろすように拳で客席を煽るところがありますよね。あそこが、嵐の航海をものともせず、逆に防風を飼い慣らしているかの様でむちゃくちゃに振ってる腕も、あそこはついつい合わせたくなるのですよね。

 

サビの「響け」で三人がほぼ同じ様に体を屈めて手をビシッとされている所や「叫べ」で暗雲を腕でなぎ払う所がこの曲をより密度が高いものにしている様に感じられます。



毎公演の夏川椎菜さんの叫びっぷりたらゾクゾク鳥肌が立ち、ドクドクと鼓動が早くなりますよね(ただの酸欠)

Baby My Step

楽しそうにパフォーマンスされているお三方を眺めていて後ろの錨が車輪みたいだなぁって。それっぽい振り付けもありますし。

 

三人それぞれの恋バナ感、それも本当に夏休みを待ちきれない女の子達の夏休み直前作戦会議☆って感じがしますよね。「Oh!!マイ・ラヴ!!」を筆頭に曲全体として、すごく表情豊かで。

 

「ベイビー(ベイビー) ベイビー(ベイビー)」での揺らめきは他の二人の意見に揺れる恋心みたいな印象を受けて。

 

それぞれの恋路をビーチサンダルで走り抜ける様な。
もうそういう女の子達を形容する言葉を僕は「可愛い」以外で形容できる気がしません。
曲中もすごく表情豊かなんですよね。
縁側で白湯飲みたい。

 

 

これも後で触れようと思うけれど、ツアーを通して凄く『呼吸』を感じた曲。


《雨宮》

まー、こうやって十一月、ですかね。ツアーはじまって、そこからいっぱいまわってきて。で、私たちもなんか、こう間をあけずにライブがあるっていうのも今回初めてで、それでね、イベントとかも出させて頂いたりして、本当にもう怒涛の数ヶ月間でした。


でー、このツアーって凄く、なんだろうな、もちろんね、その会場、今日ね、こうやって来てくださった、あ、初めて私達にあったよなんて方いらっしゃいますか?あ、ありがとうございますー。そうやって初めてこう観てくださった方々に凄いTrySailいっぱい知ってほしいし、楽しんでほしいって思いもありますし、そして今までずっとTrySailのことを応援してきてくださった方にも、なんだろうな、こう、プレッシャーとかあったり三人でよりよくするために目標決めるんですけど、それがよりこう、自分達のプレッシャーになって、大変だなって思う時とかもあったんですけど、その度に言葉を、みなさんの言葉に励まされてみなさんの応援に励まされてここまで来れたなと思います。あのー、本当にありがとうございます。


いつも思うことなんですけど、なんか始まる前は本当に怖いんですよ。もう手もひえひえで(笑) 

でも本当に本当に今日のファイナルとかも「ファイナルだからー」って凄い怖かったんですけれど、いつの間にか、もうみなさんの笑顔に、元気にどんどん励まされていって。

もうただただ楽しくて、本当にツアーをやれて良かったって思ってます!!!!

これからももっとみなさんにいろんな私達を観て頂きたいですし、一緒にTryしていって欲しいので、これからも一緒に船旅続けていってください!!これからもTrySailのことをよろしくお願いします!!



よし、じゃあ渾身の最後の曲をお届けしたいと思うのですが

 

(横浜公演)


Youthful Dreamer

バックの錨が時計の様に感じられましてね。

 

はじまりの曲でもあるし、やっぱり一番長い時間を過ごしてきた曲でもあるし。

 

どこがって言うより、凄く笑顔で楽しそうにあの振りをしているお三方がとても好きで。もう、「この曲はこうだよね。」という様な。


そういう感覚にまで染み込んだレベルで、そこにその声や動きが在ることが当たり前の様に感じられるものが自分の人生の中に在るって、実際とても在り難いことなんだなーって。


《夏川》

ツアーファイナルということで、アリーナに繋がるような公演にするにはどうやったらいいんだろうと三人で悩みました。最初の『Sail Out』で「だけどひとりじゃない」とか『BraveSail』の「ケンカするかもだけど」とか、もう今の私達の心境に突き刺さって(笑)

本当に、なんだろう、そういう苦楽を共にした二人となら立てるなって。

今日が終わりじゃないって発表出来てうれしいです!

また来て楽しんでもらえるようずっと頑張ります!!

 

 

《麻倉》

楽しかったですかー!?力出し切りましたかー!?よかったですー!最初にも言ったんですけれど、昨日から私にしては心臓が、ず・・・くずく(笑)心臓がね、大丈夫かなーってなってまして、アリーナが分かってたので、「次につなげたいね」って話ししての、ドキドキしてたんですけれど、出てきた時の盛り上がりとか、あ、この曲来た!っていう楽しんでもらえてるのがとてもうれしかったです。

一人でいるとき、練習してると大丈夫かなって思うんですけれどみんな入ったこの会場は楽しいって感情しかなくて。いっも楽しませてくれて本当に本当にありがとうございます!

この二人となら、ツアーでいろんなとこ、不安な時もずっと支えてくれた最高の仲間となら大丈夫です。みんなでアリーナ、神戸楽しみましょうね!!

 

 

 

《雨宮》

えっとー、なんと横浜アリーナ決まったんですけれど、でも本当にこのツアーいろいろあって。でも、二人も言ってましたけれど、二人とならどんなステージも立っていけると思います。

今日の公演、ツアーファイナルということでずっと応援してきてくれたみなさん、お世話になった人に成長をみせられたかは分からないけれど、楽しかったです!!

 


ひかるカケラ

ラストサビでこちらに駆け寄ってきてくれる所がもう言葉では形容できない気持ちになりますよね。

 

 

ツアーでは大きく印象が変わりました。

 

 

仙台公演では尻相撲仙台場所、札幌公演では麻倉ももさんのダイブを受け歌えなくなる夏川椎菜さん、「明日が見えなくなって泣きたくなっても キミがいれば大丈夫」を一緒になった夏川椎菜さんを見つめて歌う雨宮天さんとガチ照れして次歌えなくなる夏川椎菜さんという名古屋公演。大阪公演では抱きつき頬がむぎゅーっとなった雨宮天さんをくっつけたまま夏川椎菜さんを麻倉ももさんが手招きしていたり、千葉公演でメモに記された謎のパワーワード「君のぬくもりバズーカ」であったり、福岡公演の頬タッチねだる夏川椎菜さんとしちゃう麻倉ももさん。駆け寄りびたーっと夏川椎菜さんに頬タッチする雨宮天さんだったり。

 

毎公演『いらないカッター』が鋭い雨宮天さんであったり。

 

各公演のメモに踊った「しかってよ投げ」「君のぬくもりバズーカ」

 

君のぬくもりバズーカの語感が我ながら好きです。

 

 

ツアーでは、本当に自由に動いて歌う三人の姿がありました。厳密に振り付けではないかもしれないですが、サビの「いらない」や「キミのぬくもりが」で本来の振りにその瞬間の気持ちをぶつけるお三方がとても印象に残っています。

 

 

そういう、『曲』として初めから確固として形成されているものではなくて、毎瞬間無数の呼吸をすることで形成されたもの、その場限りで、まさにその瞬間生まれたもの、笑顔であったり大きな振り付けであったり、行動であったり。

 

ツアーで歌われてきた曲のいたるところでそういう呼吸が強く感じられました。

 

歌詞で歌われている気持ちが可視化された杉田先生の振り付に、お三方の気持ちが織り込まれて幸せな空間が立ち現れていました。



おわりに。

まずは、このツアーで、いろんな土地で仲良くさせて頂いた方々本当にありがとうございました。


こんなに毛布のようなずっとあたたかい数ヶ月の中にいたので、毛布がなくなってしまうのはさびしいのですが、今度は春のあたたかさの中で、また楽しいなーっていう時間をお会いするしないに関わらず、共有できたら嬉しいなーって思います。


思い返すと公演に関わらず、前後の休日とかもよい旅の思い出で。


観光したり雪道スリップで骨折したり、スマホ落としたり、財布を車に忘れて深夜に届けてもらったり・・・。




よ、よい旅の思い出です!!!!!!


精神的にも、体重的にも大きく成長できた旅でした。


異質に満ちた旅を、本当にありがとうございました!



今回の旅での、夢のような時間だったなぁと振り返った際に思い出した事があんですよね。


それはオーストラリアの先住民アボリジニの『dreamtime』という考え方。


彼らは今から数万年前にアジア・アフリカからオーストラリア北部に至り、しだいに南下し生活のため土地を切り開いていったそうで。彼らの歴史は旅そのものであって。 



アボリジニにとって『dream』とは「生活すること」であり、かつ、『旅をすること』同義でもあるそうで。



日々の生活が惰性的なものであるのではなく、日々の生活が新鮮な刺激や出会いに満ち溢れた旅であり続けること。


そして、その旅のプロセスの中で自分が確かに生きていた痕跡を残し続ける行為こそが『dreaming』なのだと。


いつも新鮮な刺激や出会いに満ち溢れた場所に連れて行ってくれるTrySail号。


彼女達は再び僕らを乗せて大海原へ旅立ちました。


その旅のプロセスで、自分が確かに生きていた痕跡を、肌触りが悪くとても重たくて歪で汚れていてでも純粋に綺麗だなと我ながら思える気持ちを、僕自身の旅として残していかなくてはと思った次第です。


お三方との呼吸の中で作り出されたなにかを自分なりの突破口にして、僕もずっと頑張らねばですね。


そんな当たり前のことに気づかせてくれたツアーでした。


スクリーンの映像、アングルとかすごく琴線に触れるところあったしまた映像で違う、異質な瞬間に出会いたいなー。よろしくお願いします。(“Various SKY”も)



スタッフの皆さん、そして何よりTrySailさん、ありがとうございました。