デジモンFes夜2016『戻りたいキモチのままで』

皆さんにとって『自分の幼少期』を象徴は何でしょうか。

幼少期の定義次第になってきますが、僕の場合(〜小3)は言うまでも無く『デジモンアドベンチャー』です。

日曜日は『ゴーゴーファイブ』を観て朝から団地のこども会の廃品回収、8時20頃にご褒美でもらったブラックモンブランを片手に公民館からみんなでダッシュであの坂道を駆け上がって、家に着いたら妹と『おジャ魔女どれみ』を観て、9時からの『デジモンアドベンチャー』。

放送が終わると秘密基地とは名ばかりの神社に集まって、境内の土俵上で始まるその日の回のデジモンごっこ(僕はいつもアグモン)。

どんどん増えていく兼ね役。

そんな幼少期を過ごしていました。


でも大人に近づくにつれて世界は望まずともひとりでに広がっていって、幼少期(≒デジモン)にずっと佇んでは居られなくて。

いつまでも「こども」のままでは居られなくて。
僕が野球を始めたり、中学進学を境に各々の別の世界を見出した人達、一緒にデジモンごっこをしていた「こども達」とはだんだん疎遠になっていって。

いつしか「幼少期」は「あの頃」になっていました。

だから僕は『デジモンアドベンチャー.tri』が好きです。


あの頃と今、あの頃の自分(アイツ)と今の自分(アイツ)というギャップに葛藤するかつての「こども達」。

第2章の丈先輩の葛藤なんて特に好きです。

ちょこっと大人に仲間入りした今に、この作品シリーズに触れられてるのは凄く幸せだなと。
話は少し変わりますが、『デジモンアドベンチャー』は『スタンド・バイ・ミー』のオマージュ的な構成になってたりしますよね(下記画像参照)。
(出展:小説 デジモンアドベンチャー①~いま、冒険がはじまる)

『デジモンアドベンチャー02』のEDテーマに『スタンド・バイ・ミー~ひと夏の冒険~』とある様にそれはもう公式的な扱いでいいんじゃないかな。


ところで、本家『スタンド・バイ・ミー』のひと夏の冒険を共にした4人のこども達の結末って皆さんご存知ですか(盛大にネタバレ含むので必要あればとばしてください)

主人公のゴーディはテディとバーンとは次第に疎遠になり、バーンは大家族の長として幸せを手にし一方テディは自身の障害で夢破れ刑務所暮らし。

弁護士となったクリスとは長く付き合うも…。

ゴーディ自身は小説家となり、あの頃の冒険の小説を書き終えようとしている。その小説を「私はあの12歳の時に持った友人に勝る友人を、その後二度と持った事はない、無二の親友と言うのは誰でもそうなのではないだろうか?」と締め括っている様に、ゴーディは家族という最愛のモノを手にしても、「戻りたいキモチ」をずっと抱えていたんじゃないかな。

きっとゴーディだけじゃなくて、いろんな道を歩む他の3人も。

その姿がどうも被るんですよね、スクリーンの中で自分に、互いに葛藤する彼らに。

和田光司さんがデジモンに寄せて歌った挿入歌に『Seven』があります。
「いつか見た夢 どこかで感じた声 嘘じゃない 全てを受け止め このまま このまま続くのだろう 戻りたいキモチのままで」
 
寂しさに似た不思議なキモチの中、とまどいながら流れるように大人になって。心の中にはどっかりと「戻りたいキモチ」はあって。

そんな時に、2014年の『デジモンアドベンチャー 15th Anniversary Event -今、冒険が進化する-』でウォーゲーム上映後にサプライズで流れたこの告知。

2014年の2014年8月1日に行われた、アニメ『デジモンアドベンチャー』生誕15周年記念のイベント「15th Anniversary Event 0801 in お台場 ─今、冒険が進化する─」。

現地でこの告知を見ました。

上映された『僕らのウォーゲーム』のエンドロールが流れ終わった瞬間、興奮冷めやらぬというよりは興奮の渦の中で、あの音色が流れ出したんです。


またあの頃に戻れるんだって、本当に嬉しかった。

だから第2章で、あの第2章後に『Seven〜tri.Version』がEDで流れて、いろんなモノが込み上げてきて、しばらく公園でボーッとしてましたね。

改めて、10数年経てこういう気持ちになれるのって実は凄く在り難くて幸せな事なんじゃないかな。

デジモンだけではいられなかったあの頃、でも確かにデジモンは側に寄り添ってくれてたんですよね。

同年代の人との話にデジモンは鉄板であって、カラオケではみんなで熱くなって、曲は言うまでも無くいつも寄り添ってくれていて。

だから、このイベントの時。
和田さんとまた「Butter-Fly」を一緒に歌えてすごく、嬉しかったんだよな。

本当に、本当に。


本当に自分にとって想像以上に大きな存在だと。
そんなキモチとあの頃に戻りたいという、でも以前とはまた異質のキモチの中会場へ。


会場は八王子オリンパスホール。

夜の部開場17:00/開演18:00

登壇者は公式よりペタり(敬称略)
花江夏樹(八神太一役)、三森すずこ(武之内空役)、細谷佳正(石田ヤマト役)、田村睦心(泉光子郎役)、吉田仁美(太刀川ミミ役)、池田純矢(城戸丈役)、 榎木淳弥(高石タケル役)、M・A・O(八神ヒカリ役)、荒川美穂(望月芽心役)、 坂本千夏(アグモン役)、重松花鳥(ピヨモン役)、山口眞弓(ガブモン役)、櫻井孝宏(テントモン役)、山田きのこ(パルモン役)、竹内順子(ゴマモン役)、 松本美和(パタモン役)、徳光由禾(テイルモン役)、森下由樹子(メイクーモン役)、宮﨑歩 、AiM、松澤千晶

 

映像化されるとのことなので、レポは簡易です。

レポート

Butter-Fly〜tri.Version〜に乗せカウントダウン映像が。最初から感極まって記憶がないしメモも読めない。

Live part01
1.brave heart〜tri.Version〜/宮﨑歩
OP映像と共に宮﨑歩さんが登場。14年、15年に続き今回も片手にはデジヴァイス。
『brave heart〜tri.Version〜』を熱く歌い上げる。本編の新しい進化演出と合わさると更にカッコいい。

キャスト登場
SP映像に合わせ、パートナー同士で左右から登場。ハイタッチで出迎えていくキャストの皆さん。

はじめての勢ぞろいとの事で「そわそわしてます。」と細谷さん。


◯デジモントーク
(1)パートナーへの質問
榎さんからは松本さんへ「小さい時と現在のタケル、何か変わったところは?」と核心をついた質問。
狼狽える松本さんからは「変わってない、あの時から人心を掻き乱し闇に堕とす」とのテレビシリーズを思い起こさせるコメントが返され会場は笑いに包まれる。
話は「タケルの女扱いが手馴れてる、もはや榎さんでは」と波及し、榎さんからは「彼ほどスマーティーじゃない」と。

山口さんからは細谷さんへ「ガブモンの中の人をどんな人だと妄想してた?」との質問。
「女だと思ってた?」と問い詰める山口さんに対し、細谷さんは「ロングヘアで好きな色はピンクが好きそうな、ガブモンが男らしいのでそういうギャップがある方かな…と」の返答。
まんまだったか。」「まんまでした。」と掛け合いを見せる2人に再び開場は笑いの渦に。


(2)デジモンセレクション
劇場本編より好きなシーンをセレクトするというもの。

第2章の丈にラーメンを持ってきたゴマモンとのシーンや、メイクーモンにメロメロになるレオモンなどが選ばれる。

あんなレオモン見たことない」とデジモンシリーズに長く関わる坂本さんはセレクト理由を説明されていました。

平田さんは結構ノリノリだったそうです。



(3)デジモン×告白
第3章のテーマが『告白』との事で、告白にまつわるトークが展開。

初めてペットを飼おうと思っているが、犬か猫かで悩んでるという松本さんはパートナーのM・A・Oさんがネコ派との事でネコと即決。
櫻井さんからは「マオは中国語でネコだし、名前にしたら?」と助言?が。

その櫻井さんからは、オーディション時に「関西弁できますよね?」と付加疑問された流れで「できます」と答えそのまま役が決まったとの告白。

色んな人に教えてもらったが関西弁は大阪や京都とみんな違いがあるので、「実はよく聴くと毎回違うかもしれない。はんなりしてる時もあるかも。」との事。ちなみにtri.でもレクチャーを受けているそうで、「こう見えても真面目にやってるんです!」と少し照れ臭そうに。

吉田さんは第3章では兼ね役に挑戦したらしく、兼ね役がある事に「デジモンらしい。」とコメント。
しかし即座にパートナーで唯一無二の声色の山田さんからは「私やってない!」が飛びこれには吉田さんからも「なんとなく知ってました!」と笑い混じりの返しが。

(4)第3章について
箇条書きでご失礼。
キービジュアルが結構ヒントになっており、パタモンは進化してないのが話の核になりそうとの事。

ED曲を担当するのはヤマトがボーカルを務めるKNIFE OF DAY。バンドを解散した経緯があるヤマトに対し細谷さんからは「末長くやってほしい」とのエール。

この日の為にKNIFE OF DAYはPVを作成したらしく、まさかの上映。最初起きていた笑い声も、曲が進むにつれて段々収まっていく。

榎さんからは「誰が歌ってるか知らずに聴いたが才能あると思った。」との賛辞が送られる一方、花江さんは「主人公を差し置いて…」と悔しさを顕に。

頭に残ったのは「思い出になっていく」というフレーズ(あってるか自信ない)。

思い出の中の自分達と、現在の自分達という葛藤が描かれている本編、ヤマトらしい歌詞じゃないかなって。


結構掻い摘みましたね。詳しくは12/2発売の円盤で。

告知&朗読劇

諸々の告知が。
10/1より放送開始の『アプリモンスターズ』やデジモンシリーズ関連商品の告知および販促だったかな。

詳しくは公式Twitterでご確認ください。


◯スペシャル朗読劇
事件の最中、海へバーベキューに来たこども達のお話。

ベビーフレイムで火を起こしたり、エアーショットで風を注ぎ込もうと画策する太一に対し、料理となるとうるさいヤマトが必死で止めにはいる。

水着への男性陣(タケルと刺激に耐えられずリタイアした光子郎を除く)のコメントに不満を抱くミミという構図で物語は展開。男性陣はやっぱりウブだった(タケルを除く)。アグモンは終始食い物にしか目がない。

アドリブも飛び交い、こども達の安息の時間に会場は温かい空気に。

本当にテントモンの声出してるんだ、櫻井さんと謎の実感。

キャスト変わられた事がとやかく言われたけれど、僕は違和感今ではないし、むしろよくこんなに似てるというか、成長を感じられる人達をキャスティングしたなって。

ライブパート

Live part01
2.Beat Hit!/宮﨑歩
デジモンアドベンチャー02の挿入歌であるこの曲が聴けると思っていなかったので嬉しかったですね。

MCらしいMCをしない宮﨑さんの曲間トークに今回も会場は不思議な空間に。サイリウムに興味を示し最前の方からお借りして遊んだり客席からの質問に答えたり。毎年このMCが結構楽しみだったり。


3.Break Up!/宮﨑歩
02と言えば僕はこの曲。宮﨑さんはD-3を片手に再び熱唱されてましたね。デジモンの進化曲って、結構長尺で戦闘中ずっと流れてたりするので、イントロから強烈な印象を受ける曲が多いですよね。そこがまたカッコよくて。子供心に響いて残り続けてる訳で。

会場は更にヒートアップしましたね。


4.I wish〜tri.Version〜/AiM
満を持して登場されたAiMさんが最初に歌われたのがこの曲。原曲とtri.ver、1番違ったベクトルに進んだのがこの曲じゃないかなと個人的に思う訳で、このアレンジされたver凄く好きなんです。

MCでは4月に他界された和田光司さん、5月に他界された水谷優子さんの話題に。

《AiM》
お二人ともいつも思い出すのは笑顔なんです。だからもし、私がいなくなった時に皆さんが思い出してくれる表情が笑顔である様、わたしもくよくよせずに笑顔でいたいと思います。


5.an Endless tale/AiM・和田光司
「いくよ、和田さん。」を合図に、歌われたこの曲は元々お二人のデュエット曲として『デジモンフロンティア』のEDに扱われました。ステージ上には、和田さんのマイクスタンド。歌ってる最中も言葉通り笑顔で、優しい曲調の中和田さんの歌声と掛け合っていくAiMさん。マイクスタンドに手を絡ませ、ハットを抑えながら歌う和田光司さんがそこには居ました。

2番以降のこの歌詞が凄く好き。


本当に色んな、好きな人達との出逢いだったり哀しい別れが振り返ってみると道標だなって。

水谷優子さん、和田光司さんとの別れがあってもそこを道標として刻みながらデジモンアドベンチャーが今後も愛されていったら1人のファンとして嬉しいな。




追悼:和田光司、水谷優子

AiMさんが和田さんの背中に手を当てながら退場すると、スクリーンには和田光司さんの訃報に心を痛める我々へ「一緒に歌って欲しい。」という趣旨のコメントムービーか。BGMはSevenの.inst。

6.和田光司追悼スペシャルメドレー/AiM・宮﨑歩
The Biggest Dreamer
・ターゲット〜赤い衝撃〜
・ヒラリ
・FIRE!!

はーーーーーーー、最高でした。
みんなで大合唱でしたね。『ターゲット〜赤い衝撃〜』は14年の時の、あの大熱唱が脳内に蘇ってきてもうポロポロと。

FIRE!!も凄く好きだったし嬉しかったなぁ。
言葉が出てこないですね。きっと何度も思い返してはまたこの曲達に進化させてもらうんだと思います。

《宮﨑》
和田くんの曲はパワー凄いね。

《AiM》
凄い!

《宮﨑》
今月ブラジルに行く機会があって、最後に『Butter-Fly』を歌ったんだけど、今年は世界中が和田光司の追悼って年じゃない、どんな気持ちで歌えばいいか心の整理ついてなかったんだけれど、前に居る人たちが最後のサビに何か上には撒いたの。それがチョウの形した紙で表には漢字で「和田光司」って書いてあって、裏はローマ字で。ちょっと泣いたよね。4000枚あったんだけれど1人管理忘れちゃって2000枚だったらしいんだけれどね(笑)何処に行っても愛されてるなぁって。友人として誇らしいよ。

《AiM》
最後に会ったのは12月で友人宅で鍋やったんです。1月がお誕生日で、暮れだったから「お誕生日お祝いしたいね」って。私も1月だから一緒にねって。プレゼントにはスマホ触れる手袋をあげたんです。部屋の中寒いみたいで。そしたら「おうちで使ってます!」ってわざわざ写真付きで送ってくれて(笑)

《宮﨑》
…覚悟はしてたんだけどね。

《AiM》
私達でこうだから、皆さんもそうとうショックだったんじゃ…。でも思い出すのはみんな笑顔なんです。

《宮﨑》
しんみりしちゃったね(笑)

《AiM》
どこかでツッコミが入ってるかもしれない(笑)

《宮﨑》
MC長いよって(笑)

《AiM》
「そうですね。」しか言えなかった人があぁなるとはね(笑)凄い人だね。

《宮﨑》
愛されてるんだなと。これからも歌い続けて生きたいと思います。



7.Seven〜tri.Version〜/AiM・宮﨑歩
◯水谷優子さんへのお手紙
パートナーを務めたピヨモン役の重松さんからのお手紙が読み上げられました。

共にいろんな初めてを経験したお二人。公私ともにいろんな時を過ごし、重松さんは水谷さんが居る現場は凄く安心したそうです。今後は水谷さんに支えてもらった分、自分が、やれるかは分からないけれどパートナーを支えて行きたいと。

万感の想いが詰まった「空、大好きだよ。」に目頭が熱くなりました。


そして、キャストを代表して花江さんと坂本さんという太一・アグモンペアから一言。


《坂本》
私達は進化し続けます。上から見てくれてる仲間、新しい仲間、みーーーんなで進化していきましょう!



8.Butter-Fly〜tri.Version〜/和田光司・会場全員

曲中は和田さんの声は入ってはなかった。でも、みんなで歌い終わってから、BGMでon vocal版が流れ出して。

なんか和田さんが応えて歌い出してくれたのかなって思いました。

また来年、みんなであの頃の同窓会して、一緒にまた大合唱したいな。


稚拙な主観ばかりのよく分からないレポを最後まで読んで頂きありがとうございました。